日本では「死刑」に処される基準として「永山基準」がある。これは日本の刑事裁判において死刑を選択する際の量刑判断になっており、一般的に「被害者数が1人なら無期懲役以下、3人なら死刑、2人がボーダーライン」とされている。
ところが世界には、推定被害者が300人以上という恐ろしい事件が発生しているから驚きだ。
ルイス・ガラビートは1992年から99年の間、南米コロンビアで6歳から16歳までの未成年者に対し乱暴、拷問、切断、殺害をし続けた。少なくとも確認されただけで193人を殺害しており、有罪が確定した犯罪のほかにも300人以上の子どもたちが犠牲になっていたと言われているのだ。
ガラビートは幼い男児をターゲットに定め「お菓子をあげる」と甘い言葉で誘っては犯行を繰り返していた。犠牲者のほとんどは貧しいストリートチルドレンで、遺体はすべて着ぐるみ剥がされた状態で発見。中には切り取られた体の一部が口内に押し込められた遺体もあったという。
裁判では「1853年と9日」の懲役を言い渡されたが、これはコロンビア史上最長の刑期だった。しかし、捜査当局に協力的であったことが認められ、後に減刑。しかも驚くべきことにガラビートは、今年中に仮釈放される見込みだという。日本では永山基準に照らし合わせることなく問答無用で「死刑」判決を受けただろうが、コロンビアは死刑制度を撤廃しているためのだ。
ちなみにガラビートは現在66歳になるが、もし実際に釈放されたら…。本人は虐待された子どもたちを支援する活動に従事するつもりと明かしているというが、現地住民にしてみれば、これほどの恐怖はないだろう。
(ケン高田)