「異常行動プロファイル」の第3回目は、独裁者プーチンの「モグラ生活」に触れよう。
前々回と前回の記事では、プーチンがロシア国内にある秘密の別荘の地下に、クレムリン(ロシア大統領府)と全く同一の大統領執務室を偽装配置している事実、さらには外部からの砲撃にも耐えられる特別装甲列車を使って、クレムリンと秘密の別荘の間を秘かに行き来している事実、などを炙り出した。実は偽装配置と隠密移動にはもうひとつ、特筆すべき秘密が存在する。
昨年10月、トルコに亡命したFSO(ロシア連邦警護庁)の元情報将校グレブ・カラクロフ氏の証言も含めた内部情報を総合すると、暗殺者の影に怯える独裁者プーチンの知られざる実態が、以下のように浮かび上がってくるのだ。
●大統領執務室があるモスクワのクレムリン地下には、特別装甲列車を引き入れるための「秘密の地下駅」がある
●同様に、サンクトペテルブルク、ソチ、バルダイ、ノボオガリョボなどにある秘密の別荘の地下にも、特別装甲列車を引き入れるための秘密の地下駅がある
●さらに、クレムリンの大統領執務室と地下駅、秘密の別荘の偽装執務室と地下駅は、ともに秘密の地下通路で結ばれている
●そしてクレムリンと秘密の別荘の地下には、核攻撃にも耐えられる秘密の地下壕(地下シェルター)が併設されている
プーチンの隠密行動に詳しい国際諜報アナリストが明かす。
「プーチンは内部の反逆者やスパイによる暗殺、仮想敵国からの攻撃に神経を尖らせてきました。とりわけウクライナ侵攻を開始して以降は、暗殺や攻撃から身を守るため、モグラのような地下生活を常に強いられている。大げさな比喩や冗談ではなく、ここ1年のプーチンは、ほとんど太陽の光を目にしたことがないはずです」
戦々恐々のモグラ生活。追い詰められた独裁者の、偽らざる姿がここにある。
(つづく)