ロシアのプーチン大統領を「暗殺」から守る最後の砦は、「マスケティアーズ」と呼ばれる約40人のボディーガードである。
マスケティアーズはFSO(ロシア連邦警護庁)内に編成された特別部隊。「エリート中のエリート」と言われる屈強な男らで構成され、1班10~15人の24時間交代制で、独裁者プーチンの警護任務にあたっている。
ところが疑心暗鬼の塊とされるプーチンには、最後の砦であるはずの少なくとも1人を、あろうことか、クレムリン(ロシア大統領府)内で秘かに射殺した過去があるというのだ。理由はパーキンソン病の秘密を目撃したことだった。プーチンの動静に詳しい国際諜報アナリストが、コトの次第を明かす。
「事件が起きたのは、2020年のことだったと聞いています。その日、たまたまプーチンの身辺警護を担当していたマスケティアーズのひとりが、大統領執務室で右手を激しく震わせるプーチンの姿を目撃してしまった。プーチンは5年以上前にパーキンソン病を発症しており、右手の激しい振戦の原因はパーキンソン病の進行によるものでした」
独裁者にとって、健康上の不安情報が外部に漏れることは、致命傷になりかねない。絶対的な権力構造にヒビが入り、暗殺やクーデターなどの引き金になってしまうからだ。
「そこで、プーチンはFSOに命じて、自身の健康上の秘密を目撃した件のボディーガードを、口封じのためにクレムリン内で秘かに射殺させたのです。射殺されたボディーガードの家族らに対しては『クレムリン内において、自ら銃で命を絶った』ということで処理されたと聞いています」(前出・国際諜報アナリスト)
ちなみに闇射殺されたボディーガードは、実に20年以上にわたってプーチンに仕えた部隊員だったというから、驚くほかない。
自身の身の安全のためであれば、忠臣といえども平然と葬り去る。これが独裁者プーチンの偽らざる実像なのだ。
(つづく)