猛暑日、酷暑日が続いている、その真夏の新潟2週目のメインは、3歳馬によるレパードS。今年で15回目となる比較的新しいダート重賞だ。
毎年頭数はそろうが、キャリアの浅い馬が多い。成長期にある若駒だけに、今後、伸してくる馬も多く、過去の実績をうのみにできないことからも、難解な重賞と言っていいだろう。
まずはデータを見てみよう。過去14年間で馬単による万馬券は5回(馬連は2回)。この間、1番人気馬は6勝(2着3回)、2番人気馬は3勝(2着2回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は2回のみ。大きく荒れることは少ないが、人気サイドで決まりづらい、中穴傾向の重賞ととらえるべきだろう。
性別的には「夏は牝馬」との格言はあるが、このレースにおいては暑さに強い牝馬とはいえ、目立った活躍は少ない。これまで1勝(2着1回)では、やはり力で勝る牡馬が優勢とみるべきだ。
今年の顔ぶれを見ると、各馬の力量差は少なく混戦模様。であれば、穴党の出番である。
期待したいのは、ハッスルダンクだ。
昨秋のデビュー戦(東京ダ1600㍍)は7番人気と人気薄ながら、クビ差2着に好走したように地力は確か。しかし続く2戦目は、ひ弱な体質が災いして5着と期待を裏切った。
そして成長を促すために休養を取ったのが奏功。復帰戦となった未勝利戦と1勝クラスを楽勝したように、かなりの素質を秘めているとみて間違いないだろう。
前走の天の川賞(2勝クラス)は、1番人気に支持されたものの、初の古馬との顔合わせとなったこともあり、6着惨敗。これで評価が下がるようなら、穴党としては大歓迎だ。
というのも、その時はレース間隔が3カ月近く開いていたこともあり、体重が前走比8㌔増。やや重め残りの状態だったことが最大の敗因だろう。
しかしこの中間は、しっかりと調整されており、乗り込み量は実に豊富。稽古の動きもキビキビして、かつ軽快。大幅な良化ぶりをみせている。
「現時点ではひ弱。まだまだ成長の余地があり、これからの馬。それでも頑張っているように能力は十分。強敵相手でも楽しみではある」と、中川調教師をはじめ、厩舎スタッフは口をそろえる。
であれば、3歳馬同士による競馬。重賞でも期待を寄せていいはずだ。
母系は北米の一流血脈で、エーピーインディ(ベルモントS、BCクラシックなどGⅠ4勝)の3×4(奇跡の血量)という近親配合も魅力。よほどの道悪にならないかぎり、大きく狙ってみたい。
もう1つの重賞、エルムSもダートでの競馬だ。こちらは馬単が導入された02年以降の過去21年間、馬単による万馬券は6回(馬連は1回)で、1、2番人気馬によるワンツー決着は2回のみ。中穴傾向の重賞と言っていいだろう。
年齢的には充実ぶりが目立つ4、5歳馬がよく連対を果たしているものの、6歳以上の古馬も善戦している。期待はその6歳馬、ベレヌスを狙いたい。
昨年の中京記念を逃げ切っており、実績から芝馬と見られて当然。しかし初勝利(未勝利戦)をダートで挙げており、ダートの適応力はある。
父タートルボウル、母の父デュランダルとも芝馬だが、ダートで活躍した産駒が多く、祖母の父はBCスプリントなどダートのGⅠを7勝したガルチ。母系も北米産の血筋であり、血統的背景からもダートのほうがよりよさそうだ。先行脚質のため札幌の小回り1700㍍も合うはずで、ここは〝一発〟があっていい。