財務省が昨年度(令和4年度)の決算を公表し、事業が執行されずに今年度に繰り越された「繰越金」は17兆9000億円余りと、過去3番目の規模となったことが判明した。新型コロナや物価高騰対策で大型補正予算を編成した結果、巨額の繰越金が発生する状況が続いている。
この繰越金の使途について、なるほどと頷くアイデアが浮上。それは福島原発「処理水問題」の解決策を絡めたもので、福島農産物の最低買取価格を決めて政府が保証し、国民には減税を施して購買力を増大させる、というものだ。
確かに原発処理水問題は漁業組合の反対の声ばかりがクローズアップされるが、福島の農産物出荷も全国有数の規模であり、これまた風評被害に敏感である。
西村康稔経産相によれば、福島漁業組合に対する補償は300億円を想定しているというが、
「いっそのこと、この繰越金からその100倍の3兆円を、全国に対する真水の補償金として、減税してしまえばどうかというのです。消費者物価指数は上昇しており、値上げが相次いでいます。これを押し下げるのではなく、国民の購買力を上げてしまう。そのためには減税が一番ですから」(政界関係者)
支持率下落が止まらない岸田政権にとっては、「減税」こそが得策ではないかと思うのだが…。