ここ数年、空前のサウナブームが巻き起こっている。サウナで汗をかき水風呂に浸かって、椅子に座り外気を浴びて休憩することを数セット繰り返すことで、いわゆる「ととのう」状態になり肉体的にも精神的にも快感を得られることでから人気だ。この夏も、旅先で楽しむ人も多いことだろう。
旅行雑誌ライターが解説する。
「サウナは2010年代後半頃からジワジワと人気が広がりはじめ、19年にサウナーのバイブルとも言われる漫画『サ道』がテレビドラマ化された影響もあり、利用者が急増したと言われます。その後、20年にはコロナ禍に入り、密を避けるためにサウナ熱は下火になるかと思われましたが、個室サウナや貸し切りサウナ、テントサウナなど個人や少数で楽しめる施設が増えたことで、ブームはさらに加速。最近では自宅にサウナを購入してしまう人も増えています」
サウナには疲労回復や快眠効果、自律神経のバランスを改善し、血流が良くなることで美肌効果があるとされ、老若男女幅広く支持されているが、サウナ愛好家が最も求めているのは「ととのう」ことだろう。あの快感が忘れられず、週に3回以上サウナに通うヘビーユーザーも多い。旅行誌ライター続ける。
「サウナに入り広がった血管が水風呂で急激に収縮し、外気浴によって収縮が戻されて血液の流れがスムーズになる際に、頭がボーッとしてジワジワとした多幸感を覚える。これが『ととのう』の正体と言われています。言わばヒートショック状態を自ら作り出し、そこからの回復に快感を覚えているわけです。この行為に危険性を指摘する声があるのは言うまでもありません」
どんな危険があるのか。
「サウナを10~15分、水風呂を2分、外気浴を10分を3セットが基本が言われていますが、体調が悪い時にこれを行えば狭心症や不整脈、場合によっては心筋梗塞や脳梗塞を起こす可能性が指摘されています。サウナを利用する際は絶対にムリをしないこと。60度のサウナに5分入って冷たいシャワーを浴びるだけでも十分効果はありますよ」(前出・旅行雑誌ライター)
ガマン比べのようなサウナの入り方は避けるべきだろう。
(小林洋三)