夏休みに入り、各地で水難事故が多発している。7月21日には福岡県宮若市で3人の女子児童が川で溺れ、死亡。8月に入ってからは事故が急増し、7日には滋賀県琵琶湖で、大阪から遊びに来ていた9歳の男の子が溺れている姿で発見され、その後、死亡が確認された。
専門家によれば、子供が関係する水難死亡事故の約6割が、河川や湖で起きているといい、その数は海での死亡事故の2倍以上に相当する。社会部記者が言う。
「川や湖には水底の地形が複雑な場所があり、急に流れが速くなったり、下向きに引っ張られる流れが発生することがあります。気が付くと足を取られていた、というケースが少なくないのです。水難事故の多くは午後1時から午後5時までの4時間に集中しているとされますが、これは暑さや疲労、昼食後の眠気が原因です。この時間帯は、特に注意が必要になりますね」
この夏は世界的猛暑の影響もあり、川や湖に出かけることが多い。世界中で水難事故が相次ぐ原因となっているのだが、なんとこの70年間に数千件の水難事故が発生し、とんでもない数の死亡者を出している「呪われた湖」がある。それが米ジョージア州北部、アトランタ北東にあるラニアー湖という人工の湖だ。米在住ジャーナリストが説明する。
「ラニアー湖があった場所には、もともとアフリカ系アメリカ人が住むオスカーヴィルという町がありました。アメリカでは奴隷制が廃止された後、黒人たちがこのエリアに集まり、コミュニティーを築いていたんです。ところが法律は名ばかりで、白人至上主義者による黒人差別は全く収まる気配がなく、白人たちによる黒人社会への暴力行為があとを絶ちませんでした」
1921年には悪名高い事件が発生。これは、オスカーヴィルで発見された白人女性の遺体に性的暴行の痕跡があったことから、黒人大虐殺へと発展してしまったのである。
「そして、白人たちは黒人から無理やり奪い取った土地に住み始め、その後、1956年には水力発電開発のため、オスカーヴィルの町は水中に沈められてラニアー湖ができたというわけなんです」(前出・米在住ジャーナリスト)
以降、この湖では毎年、数多くの水難事故が発生することになる。ジョージア州の天然資源局によれば、1999年から2018年にかけ、この湖における溺死者は145人。ボート転落による死亡者は57人にのぼるとの報告がある。専門家によれば、この湖が建設された1956年以来、すでに675人の死亡が確認されているという。
しかも幽霊の目撃談が相次ぐことから「祟りだ」「殺された黒人たちの呪いに違いない」との風評があとを絶たない。それでもこの湖に行く人がいるというのか…。
(ジョン・ドゥ)