信越・北関東地方に目を向けると「草津国際スキー場」を擁する草津白根山(群馬・長野)が筆頭格だ。
「6月に噴火警戒レベル1(平常)から本州で唯一の2(火口周辺規制)に引き上げられました。有毒な火山ガスの噴気地帯が点在していることでも知られ、中毒事故で死亡するケースも過去にありました。近隣には『草津温泉』があるように、温泉がぶくぶく温まっているのは、地下水にマグマが熱を与えて、沸騰点を超えると爆発的に噴火するのです」(島村教授)
さらに、例年関東の屋外スキー場で最も早くオープンする「丸沼高原スキー場」が周辺にある日光白根山(群馬・栃木)に至っては、大きな地震が断続的にいまだ続いているという。島村教授が続ける。
「栃木県の日光市内は今年9月に震度5弱、13年2月にも震度5強を観測する地震があり、噴火に結び付くのか、その動向から目が離せません。栃木県北部の地震は、活火山の那須岳(福島・栃木)の噴火に影響があります。火山は観光スポットになるほど魅力的な形をしていますが、安息角という滑り出さないギリギリの角度で岩が止まった状態を保っているだけ。大きな地震でそれが噴火につながれば、火山灰、火山岩、噴石などによって、交通機関など生活インフラを破壊して、甚大な被害を及ぼします」
ましてや、過去に大規模な噴火を繰り返した火山には、よりいっそうの注意が必要だ。世界でも有数の活火山として知られる浅間山(長野・群馬)では、過去5年だけでも14回の噴火を記録。地理的にも御嶽山に近いだけに、影響が懸念されているのだ。地元紙記者はこう語る。
「10月の3連休では、入山した登山者が約400人で、例年と比べて半数ほど。近隣のホテルや旅館もキャンセルが相次ぎました。冬になれば、浅間山から近い、『高峰高原アサマ2000パークスキー場』や軽井沢といった人気スポットにも影響が出るのか、関係者は頭を抱えています」
備えあれば憂いなし──。出かける際には、事前の情報収集に加え、危険時の対応についてもキチンとシミュレーションしていく必要があるだろう。