近年、ネットを中心に「廃墟」を探索するブームが広がっている。廃墟といえば、朽ち果てた建物や草木が生い茂ったどこか荒れた印象があるが、そんな中に「美しい廃墟」があるのをご存知か。
岩手県北上市山中の水力発電所の跡地は、マニアの間で「国内屈指の美しい廃墟」として知られる。発電所内のタービン室は大きなガラス窓の枠で覆われ、まるで教会のような趣を放っている。多くのガラスはすでに割れてしまっているが、今でもところどころ残っている部分があり、そこから差し込む太陽光を含め芸術作品のようにも見えるのだ。ここまでウットリしてしまう廃墟は日本にはそうそう存在しないのではないだろうか。
廃墟マニアが解説する。
「今やここには全国から訪れる人が後を絶ちません。しかし、もともと水力発電所ということもあり、とにかく山深いところにある。現地にたどり着くためには草木の生い茂った急な斜面を手探りで進むか、急な流れの川を渡渉するしかありません。途中で迷ってしまう人も多いようなので、気軽に出向くのは止めた方がいいでしょう」
なんとも魅力的な廃墟ではあるが、訪れる場合は自己責任で。
(ケン高田)