8月16日、ディスカウントショップ「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が2023年6月期(22年7月~23年6月)決算を発表し、本業の儲けを示す営業利益が初めて1000億円を突破したことが分かった。インバウンド需要の急回復が好影響をもたらしているというが、なぜ訪日外国人はこうもドンキが好きなのだろうか?
経済誌ライターが語る。
「PPIHが発表した決算によると、売上高は前年同期比5.8%増の1兆9368億円となり、営業利益は1053億円と過去最高を記録しました。コロナによる規制が緩和されたことで外出需要が増えたことに加え、昨年4月29日に水際対策が撤廃され訪日観光客による爆買いが復活。免税の売り上げはコロナ禍以前の水準までにまで戻っているのです」
ドンキといえば外国人観光客がよく訪れる場所というイメージがある。RJCリサーチとナイトレイが共同で発行した「インバウンドレポート2018」によると、訪日外国人がSNSで発信したスポットのショッピング部門で「ローソン」に僅差で迫る2位。今や観光ツアーの中にドンキでのショッピングが組み込まれているほどで、外国人にとっては日本に行ったら絶対に立ち寄りたい場所となっているのだ。
「訪日外国人がドンキを大好きな理由としては、日本のありとあらゆる商品が一箇所で手に入り、価格も安く、免税にも対応していて、遅い時間でも利用できるという点にあるでしょう。また、ドンキは外国人観光客が訪れやすい取り組みも行っていて、全店舗で免税に対応しているだけでなく、米国ドルや中国元、韓国ウォンなどでの外貨精算に対応してくれる店舗も用意。また訪日予定の外国人が利用できる商品の事前予約や24時間対応の外国人向けコールセンターといったサービスも展開しているのです。こうした努力もあって、多くの訪日外国人がドンキを目指して日本にやって来るのです」(経済ジャーナリスト)
今後、さらに訪日外国人は増えると予想されており、ドンキも好調が続きそうだ。
(小林洋三)