阪神・岡田彰布監督が激怒した。9月3日、神宮球場で行われたヤクルト戦で阪神は7-1で勝利。3連勝で優勝へのマジックナンバーを「15」としたものの、阪神・近本光司への死球で後味の悪い試合となった。
問題の場面は7点リードの9回、ヤクルト・山本大貴が投じた2球目が近本の右脇腹を直撃。近本はそのまま打席にうずくまり、神宮球場は阪神ファンの怒号が飛び交った。
近本は7月2日の巨人戦(京セラドーム)でも右脇腹に死球を受け、この時は右肋骨骨折で離脱。同月22日のヤクルト戦(神宮)から復帰していた。さらにヤクルトからは8月13日の試合で梅野隆太郎が左手首付近に死球を受け左尺骨の骨折し、今季絶望。ヤクルトは同月19日の中日戦(神宮)でも中日の主砲・石川昂弥の左側頭部に死球を与え、脳振とう特例措置で出場登録を抹消された。ちなみにヤクルトは9月3日終了時点での与死球が両リーグ最多の58だ。
試合後、岡田監督はヤクルトに対し「情けないのう。2年連連続優勝のチームやしのう」と怒りをにじませ、「そういうチームなんやろ」と不快感をあらわにした。
この死球について阪神OBの田尾安志氏は4日に更新した自身のYouTubeチャンネルで意見を述べている。まず、
「ゲームの内容が7-0。勝ち負けがもう決まっている中で、なんであんな際どい球を投げるんだろうと思われる方が多かったと思う。山本投手をかばうわけではないけど、実績をそこまで作ってないピッチャーにとってはどういう状況であっても打たれちゃいけないという気持ちしかないと思う。その結果として際どい球を投げようとしすぎてデッドボールを当ててしまった」
と死球自体は仕方がないとした。ただ、高津臣吾監督が試合後、報道陣に対し「申し訳なかった。もちろんぶつけようと思って、ぶつけてるわけではないんですけど、持ち球がシュートなので、そこにいってしまった」とはしていたものの、
「岡田監督がカチンときていたのは高津監督の態度だったのではないでしょうかね。現場が終わった時点で高津監督がタイガースベンチのほうへ行って謝りを入れれば、ここまで岡田監督もカリカリしなかったのではないかな」
と直接、阪神ベンチに謝罪に行くべきだったとの見解を示した。
阪神がマジックを減らしていく中、次のヤクルト戦は9月22、23日の神宮。因縁の試合になりそうで、楽しみなような怖いような…。
(鈴木十朗)