続いては、今年の皐月賞でGⅠ6勝目を飾った横山武史だ。伊吹氏がデビューした17年以降の成績を分析する。
「19年までの3着内率が19.4%、20年から21年は31.8%で、22年以降は41.2%と順調にステップアップしています。特に22年以降の2歳戦の3着内率は49.7%(同98%)と、岩田望騎手をも上回る好成績。22年11月の京王杯2歳Sでは、単勝51.0倍(10番人気)のオオバンブルマイを優勝に導いています」
さすが東のリーディングのトップを快走中だけあって、期待の2歳馬の騎乗依頼も多い。スポーツ紙記者によれば、
「その1頭が国枝栄厩舎が管理するステレンボッシュ(牝)です。7月23日の札幌の新馬戦(芝1800メートル)では1角で不利を受けながらの快勝でした。当然、札幌2歳Sに向かうと思っていたら、国枝先生が苦笑いしながら『武史の助言もあり、秋(10月のアルテミスS)に備えて放牧する』と。武史の辛口な批評は有名ですけど『若手のくせに生意気だ』と思われることなく、調教師や馬主からの信頼も厚いんです」
そんな横山武の馬券のツボは、内寄りの枠を引き当てた時だ。
「5月のNHKマイルCで単勝12.9倍(8番人気)のウンブライル(2枠3番)を2着に持ってきているように、22年以降の芝に限ると、馬番が1~3番の際は3着内率50.0%(同106%)と非常に堅実です」(伊吹氏)
今年の札幌で挙げた18勝をみても、そのうちの5勝が1~3番枠でのもの。7月30日のGⅢクイーンSでも、2枠2番のウインピクシス(9番人気、単勝18.4倍)で2着し、穴党ファンを歓喜させた。
「武史といえば〝神対応〟のファンサービスも有名です。勝利後のウイナーズサークルでサインを始めると、JRA関係者が止めに入るまで続けている。レース後のコメント取材のために集まった報道関係者が『今日もかよ~』と苦笑いしながら待っている」(スポーツ紙記者)
秋のGⅠ戦線では、馬番がカギを握ることも覚えておこう。