4月22日にグランドオープンを飾った京都競馬場。902日ぶりのレース再開から4日間の開催を経て、早くも馬券戦略上の傾向と対策が見えてきた。春のGIシリーズが東京で続く中、“裏開催”の京都で騎乗する若手ジョッキー3人衆で軍資金調達といこう!
25年に開設100周年を迎える京都競馬場の新名称は「センテニアル・パーク」。豪華な新スタンドからは、連日にわたって熱い声援が飛んでいる。スポーツ紙記者が解説する。
「名物だった真ん丸のパドックが楕円形になり、常に左へ左へと促す必要がなく、馬にもスタッフにとってもストレスが軽減されました。コースのレイアウトも川田将雅騎手(37)が『より安全になりました』と話していたように、芝外回りの4コーナーが緩やかになった。路盤はまだ固まっていないので、馬の脚に優しく、時計のかかる馬場になっています」
以前の淀のターフといえば、高速馬場でスピード馬が活躍したイメージだが、
「ディープ産駒の庭と言われたほどで、20年芝のデータを見ると、上がり3ハロンの最速馬が好成績を残していた。例えば芝2400メートルは計16レース行われていて、そのうち上がり1位の馬が14勝(2着6回)を挙げています。しかし今年は、開幕週の22日に行われた芝の6レースのうち、上がり最速の馬が2勝、23日も6レースのうち、マイラーズCでシュネルマイスターが外から飛んできた1勝のみ。瞬発力タイプの馬がほとんど勝てていませんでした」(スポーツ紙記者)
2週目の4月29日、30日の2日間で見ても、上がり最速馬は芝12レースで6勝ともの足りない。とはいえ“先行有利”の馬場状態とも言えないようだ。栗東担当の専門紙記者が話す。
「開幕から芝24戦で逃げ・先行馬は9勝(外回りは17戦で5勝)。29日に限ればわずか1勝でした。さらに特筆したいのが、この日の6R。単勝1.5倍の馬に乗った武豊騎手(54)が、馬群で脚をためて4コーナー4番手から最内に切り込んで勝利を収めた。とはいえ、ハナ差で2着した馬は4角3列目から大外強襲。キレイな芝状態ですが、馬群からのイン突きでの勝利は、芝外回りの17戦中、この1勝のみでした」
従来の京都の芝外回りといえば、4コーナーで馬群がバラけて、内か外かの攻防が見ものだったが、
「マイラーズCでクビ差2着したガイアフォースの陣営から『3コーナーからの坂の下りを生かしたい』という声が聞こえてきたけど、まさにこれが馬券戦略につながる。残り800メートルあたりからスピードに乗れるような、跳びのキレイな大型馬は要注目。今後も長くいい脚が使えるタイプの馬は狙い目ですね」(専門紙記者)