三銃士の最後を飾るのは、2月にフェブラリーSをレモンポップで制し、JRAのGⅠ3勝目を手にした坂井瑠星だ。
「デビュー後から21年8月までの3着内率は20.1%(同77%)でしたが、フランス遠征を挟んだあとの21年10月以降は33.3%(同80%)と、グッと安定感が増しています。競馬場別成績では、東が東京、西は京都の方が好成績。どちらかといえばゴール前の直線に急坂がないコースを得意としているように映ります」(伊吹氏)
さらに21年10月以降のコース別成績を見ると、
「ダート戦で前走の馬体重が500キロ以上の馬に騎乗した際の3着内率が42.0%(同114%)。大型馬と相性がいい点も見逃せませんね。6月の麦秋Sでも前走508キロだった単勝288.6倍(15番人気)のアメリカンファクトを2着に持ってきています」(伊吹氏)
フェブラリーSを制したレモンポップも518キロの大型馬で、好位4番手から抜け出しての勝利だった。
「瑠星は身長170センチでリーチも長く、日本人にいないタイプの騎手。スタートセンスがよくて最初からポジションを取りに行けるし、ゴール前でへばってきてからのもう一押しが効く。22年の宝塚記念では7番人気のユニコーンライオン(524キロ)で逃げて、グランプリ3連覇を飾ったクロノジェネシスに惜敗だったが、レース後に『差し返す脚を見せてくれた』と愛馬をねぎらっていた。この〝差し返し〟って、なかなかできないこと。強めの扶助が彼の魅力の1つだね」(スポーツ紙デスク)
2月には所属する厩舎のバスラットレオンで海外重賞2勝目を挙げているが、
「世界の矢作と称される矢作先生のバックアップがあってのこととはいえ、海外の武者修行も積極的だし、レース後は〝騎乗ノート〟にペンを走らせている。そんな研究熱心なところも好騎乗につながっているのでしょう」(スポーツ紙デスク)
秋競馬は武豊が絶賛した若手三銃士でマル儲けだ。