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【追悼】「コブラ」「ゴクウ」の寺沢武一がCG漫画を生み出したのは師匠・手塚治虫の言葉を勘違いしたせい

 全世界の累計発行部数5000万部を突破した漫画「コブラ」(全18巻)を代表作に、コンピューターグラフィック漫画(CG漫画)の第一人者と称された…といえば、漫画家の寺沢武一氏だ。9月8日、心筋梗塞のため都内の病院で死去していることが分った。まだ68歳だった。コミック業界関係者が言う。

「寺沢氏には1976年の1年間だけ、巨匠・手塚治虫のアシスタントだったことがありました。その後に『コブラ』『ゴクウ』『鴉天狗カブト』などを、次々と生み出していったわけですが…」

 それは1989年2月に手塚氏が他界する数日前。とあるテレビ局役員が「ハイビジョンとCGを合わせたような作品を作りたい」と手塚プロを訪れた。「それは僕はできないから、寺沢君に…」と入院先の病院で話を振った手塚巨匠。寺沢氏は生前、インタビューで次のように明かしていたと、前出のコミック業界関係者は言う。

「もし手塚さんが世を去れば漫画家を辞めようとさえ考えていたのですが、手塚さんの遺志なら継ごうと、漫画家を継続。CG漫画に着手したわけですが、のちに手塚さんの長男・眞さんに聞くと、手塚さんは当時、自身が末期ガンに冒されていることを知らなかった。つまり『そういう話は寺沢君が好きそうだから』と軽い気持ちで推薦したのだと」

 どうやら寺沢氏の勘違い、早トチリから生み出されたCG漫画なのだったのだ。今頃は天国で旧交を温めているだろうか。

(所ひで/ユーチューブライター)

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