晴れて18年ぶりのリーグ優勝を決めた、岡田彰布監督が率いる阪神。優勝にあたり、今年7月に脳腫瘍のため28歳で亡くなった横田慎太郎さんの存在は大きかった。
生前の横田さんが袖を通した背番号24のユニフォームが準備され、同期入団で胴上げ投手の岩崎優とともに、宙を舞った。同じく同期入団の岩貞祐太らが動いて、故郷の鹿児島から取り寄せることができたからだ。球団OBが明かす。
「同期には岩貞や岩崎のほかに、梅野隆太郎、原口文仁、西武に現役ドラフトで移籍した陽川尚将と、まだまだ現役バリバリで活躍している選手が多い。志半ばで逝った横田さんの思いを、彼らは間違いなく背負っている。年齢関係なく、同期入団は引退後も交流が続くもの。彼らにとっては、精いっぱいの供養ですよ」
今年6月下旬、25年ぶりのリーグ優勝を目指すDeNAが阪神から首位を奪い、さらに同時期には広島も調子を上げるなどしてV戦線に食い込んできた。
「2チームともドラマチックな優勝シナリオが存在しており、そっちの方に流れがいくもの。だけど横田さんの死は阪神の現役選手、OBを問わず、心に響くものがあった。そういうチームが優勝するのもまた、不思議な縁だね」(前出・球団OB)
次は1985年以来、球団2度目の日本一を横田さんに報告したいところだ。