スポンサー企業の「CM降板ドミノ」が続くジャニーズ事務所。9月14日にはテレビ業界で初めて、テレビ東京が「新たなジャニーズ事務所所属タレントの新規出演依頼は極めて慎重に判断する」と言及した。
実業家の西村博之(ひろゆき)氏はこの日、自身のYouTubeチャンネルで、この件についての見解を次のように展開した。
「広告主が引いた後に難しくなるのは、スポットが流しづらくなるんですよね。(広告主が)ジャニーズを使いたくないって時に、とりあえず1億円分CMを流すとすると、そこで割り振られたのがジャニーズの番組だった場合、クレームを入れられる可能性がある。だからテレビ局はジャニーズの番組をすごくやりづらくなると思うんですよ。どのクライアントのCMを流したらいいか、マジでわかんない状況なので。結果としてジャニーズの冠番組を作りたいってなっても『今はやめといた方がいい』っていう意見が多数派になる。たぶん、テレビ東京以外はないんじゃないかなと思います。あそこはやるんじゃないかな」
テレビ東京は毎年夏と年末に音楽特番を放映しており、解散前のV6メドレー、今年6月には元光GENJIの内海光司、佐藤アツヒロが光GENJIメドレーを歌うなど、ジャニタレ起用でも独自路線を貫いてきたのだが…。民放局スタッフが分析する。
「テレビ東京は『NIKKEI日曜サロン』『ガイアの夜明け』を放映するなど、財界人との繋がりが深い。経済同友会の新浪剛史代表幹事が、ジャニーズ事務所に言及したことが大きい」
新浪氏は9月12日に、次のような強い言葉を使ってジャニーズを非難した。
「現体制が本当に真摯に反省してるのかどうか、たいへん疑わしい。チャイルドアビューズ(若年層への虐待)は、絶対にあってはいけない。ジャニーズ事務所を使うということは、チャイルドアビューズを認めることになる。断固として毅然たる態度を、企業として示さなくてはいけない」
前出の民放局スタッフが言う。
「テレビ東京は子供番組『おはスタ』に出演していたナイジェリア系アメリカ人のお笑いタレント、アイクぬわらが、番組に出演する少女を自宅に連れ込み、下半身を舐めるよう命令したとされる『性加害トラブル』も抱えています。アイクぬわらにも、ジャニーズ事務所にも、毅然とした対応が求められます。テレ東の年末の歌番組は『懐メロ路線』ですから、ジャニタレがいなくても成り立ちます。そこで比較されるのが、NHKの『紅白歌合戦』。NHKでは、元TOKIOの山口達也がEテレの教育番組に出演していた少女に酒を飲ませてみだらな行為に及んだ、アイクぬわら同様の事件を抱えたことがある。ジャニー喜多川氏の性加害問題の端緒は、BBCの報道からでした。それに対し、NHKは今も性犯罪者の名前を冠するジャニーズ事務所のタレントを起用して、海外に恥を晒すんでしょうか」
テレビ東京とは反対に、日本テレビは10月期改編でも深夜放送枠の「ジャニーズ主演ドラマ」継続、「news zero」の櫻井翔の続投を早々に表明。フジテレビもジャニーズ所属タレントの起用に変わりはないとしている。
ひろゆき氏のYouTube発言は、痛烈な皮肉だったのか。
「テレビ東京だけが(ジャニーズ切りを)『やる』」結果になった。
(那須優子)