食欲の秋、味の素「ほんだし」のCMキャラクターが小栗旬から賀来賢人に、13年ぶりに交代した。小栗は今年6月から所属プロダクションの社長に就任し、俳優業と社長業を兼任しており、昨年のNHK大河主演を節目に、芸能活動をセーブしているかのように見える。
片や賀来はJR東海、日本生命、花王、ケンタッキーフライドチキン、レバテック、サムソナイトのブランドアイコンに、新たに味の素…と、これでテレビCM契約は6本目。驚くのは昨年9月に16年在籍した「アミューズ」を退社し、フリーランスで活躍していることだ。テレビ局幹部が言う。
「もちろん独立後も活躍できているのは、これまで築いてきた好感度、イメージが大きい。それ以上にアミューズは『円満退社』した元所属タレントやスタッフの芸能活動を妨害しないことで、業界では知られています」
仮に賀来がジャニーズ事務所に所属していたら、CM契約は続けられなかったというのだ。このテレビ局幹部が続ける。
「元SMAPの森且行がオートレーサーに転身した際には、SMAPの集合写真から森が消去された。草彅剛、香取慎吾、稲垣吾郎もSMAP脱退後、地上波テレビからは消えました。2019年に公正取引委員会がジャニーズ事務所に対し『退所した3人のメンバーを出演させないよう、テレビ局に圧力をかけた場合は独占禁止法に抵触するおそれがある』と注意しています。今年5月に『King&Prince』を脱退、今月末にジャニーズ事務所を退所する岸優太が、出演中の『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)を干されることがあれば、今度こそ公取は黙ってないでしょう」
そこで問題になるのが、民放テレビ局の放映権を掌握する総務省で元事務次官のパパを持つ櫻井翔の、「性加害」や「人権侵害」に大甘な言動だという。
「元検事総長がジャニー喜多川氏の性加害を認め、公取がジャニーズ事務所の『独占禁止法違反』『人権侵害』に言及しているのに、元官僚トップの息子が法に抵触したジャニーズ事務所にしがみつくのは矛盾に満ちている。芸能界でも彼ほどテレビ局と広告代理店に強大なコネを持つタレントは、他にいませんよ。それでもジャニーズ事務所を退所しないのは、異常事態と言っていい」(前出・テレビ局幹部)
櫻井が出演していたカレーのCMは見かけなくなり、代わりに賀来夫人である榮倉奈々のハヤシライスCMをよく見るようになった。それが消費者と視聴者、企業が出した答えだ。