兵庫県神戸市の側溝に潜り込み、女子高生のスカートの中を撮影したとして、9月16日までに平井泰臣容疑者(36)が性的姿態撮影処罰法違反の容疑で逮捕された。実はこの男、過去にも同様の犯行で逮捕歴があり、地元では不埒な〝側溝男〟と恐れられていた。
社会部記者が解説する。
「現場は東灘区の住宅地。9月8日、たまたま通りがかった女子生徒が、側溝の内部に落ちていたスマホを拾ったところ、録画モードになっていたことから、警察は盗撮事件として捜査。後日、付近の側溝に潜んでいた平井容疑者を発見し、逮捕に至りました」
平井容疑者にとっては8年ぶり3度目の逮捕となる。初めて検挙されたのは13年のこと。同じく東灘区の側溝に身を隠し、鉄製の蓋の隙間から、上を歩く女性のスカートの中を覗き見していたのだ。
「付近には女子大や女子高があり、いわば通学路。朝には多くの女子高生が通りますし、このあたりは山手の高級住宅地。神戸のお嬢様はスカートが基本ですから、多くの成人女性も被害に遭ったと見られます」(社会部記者)
逮捕後の取り調べでは、
「生まれ変わったら道になりたい」
こんな迷言でケムに巻いた平井容疑者だが、実名報道で「変態」のレッテルを貼られて以降は、リハビリに励んでいたという。近隣住民はこう話す。
「それまで勤務していた会社はクビ。教育熱心な母親はなんとか覗き行為をやめさせようと、六甲山へハイキングに連れ出すこともあったようですが、家族の目を盗んでは、側溝に潜り込んでいたようです」
2回目の逮捕まで、それほど時間はかからなかった。15年に迷惑防止条例違反の容疑で逮捕された平井容疑者はこう供述した。
「どうしても入ってしまう。興奮してやめられない」
母子二人三脚のリハビリも報われなかったようだ。
盗撮事情に詳しいITジャーナリストの井上トシユキ氏はこう話す。
「その手の闇サイトでは、入浴施設やトイレを舞台にした違法な盗撮動画が販売されていますが、側溝から撮られた映像は見たことがありません。というのも、盗撮犯罪には、『顔もセットで撮りたい』という心理が働くもの。しかし、真下からの超ローアングルでは、下着は映っても顔は映りません。外部に流出させたり、販売していた形跡もないことから、自己の性癖を満たすための犯行だったと言えます」
15年の犯行で、神戸簡易裁判所は平井容疑者に罰金50万円の略式命令を下した。それでも側溝への思いは断ち切れなかったようで、
「近年は1年に80回のペースで側溝に侵入していた模様。それも1カ所にとどまらず、側溝内を縦横無尽に移動していたそうですからね。派手に動きすぎたのか、今年1月には警察に通報され、地域の不審者情報のデータベースに『覗き未遂』として登録されていました」(前出・社会部記者)
元警視庁刑事で犯罪心理学者の北芝健氏は、「側溝男は氷山の一角」と前置きしてこう語る。
「側溝に身を潜める行為そのものは犯罪ではないので、警察官は注意や退去勧告くらいしかできない。乗降客数がそれほど多くない郊外の駅には、決まってエスカレーターや階段の下でじっと上を見つめる〝覗き魔〟のような連中がいたものです。ただ、こうしたマニアックな性犯罪は、20代から30代が犯行のピーク。性欲の減退に伴って、引退していくのが通例です」
文字通り、人生をドブに捨てた側溝男。4度目はないと信じたい。