国民の怒りのボルテージはピークに達している。
2025年に開催される大阪・関西万博の建設費用が、超巨大に膨れ上がっているからだ。当初の想定では1250億円の会場建設費だったが、2020年に1850億円に増額。資材や人件費の高騰が原因だというが、今回の二度目の増額で、約2300億円まで上昇するという。建設費はもちろん、税金で賄われる。国、自治体(大阪府と大阪市)、経済界がそれぞれ3分の1ずつ負担することになっているのだ。
「忌み嫌われ、汚職まみれで大失敗に終わった東京五輪の時と同じストーリー展開です。大甘な見積もりで誘致や招致をしてどんどん予算が膨らみ、ドバドバと税金を投入する。密室で決められ、誰も責任を取らない。過去の見積もりの検証もしない。万博に巨額の税金をつぎ込むくらいなら、生活補助や物価高対策に充てるべきです。実生活からかけ離れている万博は、もっと簡素化させなければいけません」(関西財界関係者)
入場チケットの基本料金は高額で、大人7500円に設定されている。
「本腰を入れてハシャいでいるのは大阪の吉村洋文府知事だけという、むなしい現状です。会場の夢洲では工事の遅れが深刻化していて、1年半後に開幕するというのに、道路の舗装や電力開通、下水道も整備されていません。早期建設を目指し、吉村知事は建設業界団体に頭を下げてお願いに回っていますが、足元を見られて泥沼にハマッています」(在阪メディア関係者)
吉村知事は阪神タイガースとオリックス・バファローズの優勝パレードに便乗し、瀕死に陥っている万博の宣伝活動に固執。さらなるバッシングが高まる中、庶民のためにも早いところ「お荷物万博」の簡素化、あるいは中止の決断を下すべきではないか。
(佐藤恵)