福岡の竹井奈美のまくりは強烈である。それを実感したのは一昨年9月の「戸田女子リーグ」だった。あの時、彼女は2日目に3コースから滝川真由子らをまくり、3日目に4コースから香川素子らをまくり、4日目には、なんと2コースから鎌倉涼をまくって予選3勝をマークした。
戸田は全国24場の中で最もコース幅が狭く、まくりが利きやすい水面だが、デビュー以来わずか3年、まだ23歳のB1級が連続3日間、全速まくりを決めるとは思いもよらなかった。
あれから彼女の旋回はさらに鋭さを増し、新期5月からの航跡は128走して1着30本、2着28本、2連対率45.3%。勝率は6.38まで上がり、10月末には待望のA1級昇格が確定した。むろん強襲が決まれば配当は高く、10月11日大村第9R、4コースから今井裕梨らをまくったレースは3連単1万230円。10月25日丸亀第5R、4コースから三浦永理らをまくったレースも3連単1万2600円の波乱を呼んだ。
その竹井が11月14日【金】~19日【水】のGIII「戸田オールレディース」を走る。今度の戸田は2年前の女子リーグと異なり、日高逸子、山川美由紀らベテラン勢の層も厚い。だが、実力をつけた彼女が急旋回一発、高配当の主役に躍り出るだろう。
なお、竹井の次走地は11月28日~12月2日の「児島一般戦」となっている。
◆ボートレース評論家・水上 周
◆アサヒ芸能11/11発売(11/20号)より