社会

「ステマ規制」で「案件」が激減しそうなインフルエンサーの受難

 10月1日から、ネット上で個人の感想を装い広告であることを隠して宣伝する「ステルスマーケティング(ステマ)」が景品表示法の「不当表示」に指定され、規制の対象となった。今後は広告であることを明記することが必須となる。

 経済誌ライターが解説する。

「ステマは消費者の誤認を誘発し正しい判断をできなくさせることが問題視されています。今後は企業が一般人になりすましてレビューする行為や、インフルエンサーに金品を渡し商品紹介を依頼しているのに広告表示がないものなどは措置命令の対象となり、従わなければ2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される。ただ、今回の規制で罰則を受けるのは広告主である企業側であり、企業からの支持でステマを行ったインフルエンサー側には罰則はありません」

 なお、ステマ規制に該当するのは10月1日以降に投稿されたものではなく、現在ネット上で見ることができる過去の投稿も含め全て。そのため企業からインフルエンサーに対して過去の投稿にも広告表示をするよう求められるケースが増え、一方でステマをしていたことがフォロワーにバレてしまう可能性のあることから、改めて「#広告」と付けることをためらうインフルエンサーも少なくないという。

「今年8月にWebマーケティング支援専門会社のオンジン社が発表したアンケート調査によると、ステマだと分かった場合の商品メーカーに対する反応は63.2%が『そのメーカーの商品購入は控えるようにする』と回答している。その状況を考えれば、企業側としては過去のものまで広告表示をするようにお願いしたくはないと思います。一方、ネットでおすすめ商品として紹介されているものに広告表記があった場合は、64%がその商品の『購入を控える』と回答しています。ステマではなくても『広告』と分かっただけで購買意欲が落ちる可能性があることから、今後はインフルエンサーへの案件自体が減るかもしれませんね」(ITジャーナリスト)

 インフルエンサーにとっては厳しい時代となった。

(小林洋三)

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