「GⅢ久留米」◎郡司浩平/○古性優作/▲嘉永泰斗/△守澤太志
9車立ての記念での一戦一戦が、成長に繫がるのが新人選手でもある。
「GⅢ久留米」(代替熊本記念、10月6日㊎〜9日㊊)は、SS班のうちの2人を含めて、過去5大会の優勝者がそろう豪華メンバー。さらに九州勢には、売り出し中の若手機動型がズラリと名を連ねる。GⅡに劣らない熱戦が連続する4日間になりそうだ。
昨年の覇者で、20年にも優勝している郡司浩平を本命に推す。前走の松阪記念(①①③❶)の3勝は、すべて自力でマークしたものだった。同県の和田真久留が勝ち上がらなければ単騎戦が濃厚も、郡司はむしろ戦いやすい。好機に動いて3度目の頂点に立つ。
今年すでにGⅠを2度制している古性優作が、山田久徳との近畿2車で抵抗する。位置取りの巧さは郡司と互角。まくり合戦に持ち込めば逆転がある。
あとは、伊藤旭と松本秀之介につけて3段駆けもある嘉永泰斗と、新山響平の後位でチャンスを窺う守澤太志が怖い。
九州の若手選手に、先行の手本になるような積極策を貫いているのが北津留翼だ。勝利優先なら強烈まくりがあるのに、後輩の前でカマシ先行も辞さない。見せ場は必ず作るはずだ。
その北都留とは対照的に坂井洋が近況のレースで苦戦している。今のままでは9車戦は厳しい。力はあるだけに、果敢なレースをしてほしい。
【大穴この1車】
諸橋愛(新潟・79期)。
今年は記念を4場所走り、決勝戦に乗った2場所で万車券を演出している。前走の松戸(②④②❹)の準決勝で1万円超、4月四日市(⑤②③❸)は2日目が2万超で、GⅠ(2本)とGⅡ(1本)でも万車券を出している。SS班にも在籍したベテランの差し脚は健在。関東は手薄で好位は望めそうにないが、ゴール前の台頭に期待したい。
【狙い目の伏兵3人】
緒方将樹(熊本・117期)は松本秀之介、伊藤旭に松岡辰泰を加えた同県同期1班に後れを取ったが、父で師匠は往年の名選手である浩一さん(引退)。ここから、追いつき追い越せに拍車がかかる。
後藤大輝(福岡・121期)は、特昇後の初戦6月久留米記念(①④⑤②)で準決勝進出と好走した。前走の松阪も①①❸。予選突破は十分ある。
木村皆斗(茨城・119期)は、6月向日町(②④⑦⑨)と4月高知(④③⑧⑨)の記念で準決勝に乗っている。劣勢の関東勢には希望の星だ。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。