タイ・バンコクの大型ショッピングモールで2人が死亡、5人が負傷する銃乱射事件が10月3日に発生したニュースを知って、震撼した人は多いのではないか。
逮捕されたのは14歳の少年だったというのも驚きで、「『人を撃て』という声が聞こえた」と供述しており、警察は詳しい動機を調べている。少年の自宅からは、複数の種類の銃弾約50発が押収された。
少年が薬物を使用し、幻聴を聞いていたのではないかと騒がれる中、タイのセーター首相は、タイでの娯楽用大麻の使用を6カ月以内に廃止すると告知した。タイでは昨年6月から大麻が合法化されたが、あくまでも医療用を目的としたものである。
セーター新政権は「大麻解禁の見直し」を選挙での公約としていたが、このタイミングでの発表は、今回の銃乱射事件が引き金になったものと考えられる。
この大麻廃止予告に「よかったです」と声を上げるのは、バンコクに住む日本人男性だ。
「うちのアパートは外国人向けの民宿が多いのですが、廊下など共用部分に大麻のニオイがこもるのが嫌だったんですよね。夜になると明らかにテンションの高い外国人が多く、アパートの前に嘔吐物が残されていたこともあります」
大麻でハイになって奇行に走るのは、なにも外国人観光客に限ったことではない。同胞の日本人旅行者が訪れた時には、こんなこともあったと、この日本人男性は続けて明かす。
「日本の知り合いに『知人がバンコクに旅行するので、夜の店に連れて行ってほしい』と頼まれたたんです。それで会うことになったのですが、明らかに大麻のニオイを漂わせている。その後、ローカルカラオケに飲みに行くと、会計時に『高い。嬢が飲んだドリンクを上乗せしているんじゃないか』と急に怒り出した。ローカルカラオケのバックにはチンピラがついていることがあるので、慌ててなだめました」
後日、知り合いにこの話をすると「普段は大人しくてそんなトラブルを起こすような人ではない」と言われたという。
「おそらく大麻で強気になっていたか、勘ぐりが強くなっていたのか」
と先の男性は肩を落とすのだった。
快楽目的で大麻を吸引した場合は厳罰に処せられるが、タイの街中には大麻ショップが溢れ、外国人観光客による乱用が問題視されている。大麻が合法化されたことで迷惑旅行者が増えてしまったことは事実だろう。
(秦野るい)