阪神OBの掛布雅之氏が先ごろ放送の「SPORTS BULL presents 石橋貴明のGATE7」(TBSラジオ)にゲスト出演した際、阪神のリーグ優勝に貢献した村上頌樹、大竹耕太郎投手について話していた。
石橋が今季の阪神について「ピッチャー陣でここが強かったというのはどこですか?」と質問したところ名前が挙がったのが、村上と大竹。特に村上に関してはシーズン当初、岡田彰布監督はロングリリーフで一回使ってみようと思っていたが、先発ローテーション予定だった伊藤将司が故障。そこで、
「ブルペンのキャッチャー陣が『いい球投げている』と言っているんであれば、ちょっとはめてみようと思ったらはまったんですね」
とし、伊藤の故障の出遅れが結果的に村上の台頭のきっかけになったと語った。
しかも村上のストレートの威力について掛布氏は、こうも解説している。
「あの江川卓が『オレと同じようなストレートの質だね』って。『スピンが俺と似てる』と言ってました。シュート回転しないですもん。ちょっとカット気味に、真っスラみたいにきますもんね。それと村上の低めのボールは垂れることなく突き上げる。バッターは低めにボールが来ると見逃すんですよ、ボールだと思って。でも垂れないから」
その村上のストレートについて、スポーツライターはこう解説する。
「本人も学生時代からストレートにはこだわり持っており、掛布氏の言うようにカット回転することで最大の武器になっている。ただ、そこまで回転をかける意識は強くないそうで、そのために微妙な変化がつき打者からはホップしてくるような打ちづらいストレートになるといいます」
この時代に「昭和の怪物」に近いストレートが見られるというのは、プロ野球ファンにとっても貴重なのではないか。
(鈴木十朗)