阪神の無失点記録男、村神様こと村上頌樹になんと、早くも「第二の藤浪晋太郎」を懸念する声が出始めた。在阪スポーツ紙デスクが、これに同調する。
「関東のマスコミでは考えられないが、関西のスポーツマスコミは、少し活躍しただけですぐ大騒ぎ。すり寄って、悪いことを書かなくなる。村上も今や堂々のスター扱いで、そうなりつつありますね。これで、どれだけ有望な選手が潰れてきたことか。高卒1年目で大活躍した藤浪が、その後たどった道を考えれば、心配で仕方がないわけです」
そんな様子を目の当たりにしたことのある阪神OBも、
「阪神の場合、少し活躍しただけで、すぐタニマチ気取りの人が現れる。タニマチの中には、怪しげな人もいる。よほどしっかりしていないと取り込まれて、抜け出せなくケースもあるからね。それで野球に身が入らなくなった選手もいる」
村上は開幕からの連続失点記録を31イニングとし、阪神の中井悦雄が1963年にマークしたセ・リーグ最長記録に並んだ。防御率も0.28でリーグトップに立ったが、他球団は研究してくる。正念場はこれからだ。
ただ、村上には、藤浪のような頑固さはない。藤浪は新人時代から、江夏豊氏ら大物OBの意見に耳を貸さず、成績が伸び悩んだ時期にも、先発にこだわり続けた。智弁学園、東洋大時代を通じて村上を取材してきたアマチュア野球担当記者によれば、
「智弁の小坂将商監督は、村上の真面目すぎる性格を評価している」
浮かれる心配はあまりない、ということか。
だが、マスコミやファンからスター扱いされるにつれて、球団も勘違い。腫れ物のように扱うようになるのが、阪神という球団の伝統だ。幸い岡田彰布監督は歯に衣を着せない性格。今後も愛情を込めて厳しく接していくであろう、というのが救いだ。
「岡田監督なら大丈夫だと思うが、『アレ』のために今は大騒ぎしてほしくないのが、OBたちの本音だ」(前出・阪神OB)
ここは虎の村神様を信じて、成長を見守りたいところだ。
(阿部勝彦)