パ・リーグ4位でクライマックスシリーズに進出できなかった楽天の守護神・松井裕樹が海外FA権を行使することが分かった。
松井は今シーズン59試合に登板して2勝3敗、防御率1.57。自己最多の39セーブを挙げて、2年連続のセーブ王タイトルを獲得した。今年4月にはプロ野球史上9人目の通算200セーブを最年少で達成し、現在までに通算236セーブを記録している。
「当初は先発投手としてくすぶっていた松井を抑えに転身させて活路を見出したのは、デーブ大久保元監督だった。デーブ氏がわずか1年で監督を退任した時点で球団への不信感が強まり、FA権取得なら移籍を選択すると、周囲はみていました。ところが海外FA権を取得した今シーズン、視察のため何度も仙台の球場にメジャーリーグのスカウトがやってきて、ネット裏に陣取った。松井をじっくり観察していたことで初めて『俺を見てくれているのか』と、本気モードに火がついたのです。『どうせならメジャーに行ってやる』と腹をくくってやった結果がセーブ王ですから、立派なもの。少々条件が悪くても、最終的には海を渡るのではないか」(球団OB)
すでにアメリカ在住の代理人との契約を結んだと一部で報じられるなど、海外移籍準備を着々と進めている。戦力的に楽天で優勝を狙うのはしばらく難しそうで、「見切った」左腕がどんな決断を最終的に下すのか、楽しみなのである。