パの内野陣も、なかなかの逸材がそろった。
捕手は代打送られ王に輝いたソフトバンクの甲斐拓也(30)が槍玉に挙がった。
「守りは申し分ないんだけど、打撃がね。2割0分2厘で三振も多い(117個はパ・ワースト3位)。これまでは投手陣がよく頑張ってきたけど、今年のように打たれると、リード面も問題になってくる」(伊原氏)
あまりの打撃不振に代打を送られること57回。この起用法に角氏は、メンタル面での問題を心配する。
「代打を送られると本人もトーンダウンするでしょうね。とはいえ盗塁阻止率は相変わらず高くて、投手陣は助けられている部分も多い。確かに捕手は疲労度も高いけど、途中で交代させるなら、例えば3連戦のうち2戦最後まで任せて1日休ませる、という起用法も一つの手だと思う」
二塁手は2年連続で西武の外崎修汰(30)、遊撃手も西武の源田壮亮(30)が初受賞となった。ちなみに、外崎は昨年より成績をアップさせて2割6分0厘の131安打、源田は数字を若干下げて2割5分7厘の102安打だったが、伊原氏は物足りない様子。
「外崎は年俸1億6000万円、源田は3億円ももらっている。最低でも打率2割8分は打たないと。この成績で満足しているようではダメです。西武が浮上するためにも、もっと活躍してもらいたい」
三塁手は日本ハムの清宮幸太郎(24)が受賞。打率こそプロ入り最高の2割4分4厘を記録したが、本塁打は昨年の18本から10本に下降。打点も昨年の55打点から41打点に減らした。
愛甲氏はバッティングフォームに着目する。
「縦振りを取り入れているけど、今の野球と逆行している。ファンの期待は大きいんだから、もっと頑張らないと。ただ、得点圏打率が去年の2割2分から2割8分に上がったのは評価していい。エラーの数が多い(自己ワーストの13失策)のは問題だけどな」
昨年は一塁手でワーストと準エラー王に輝いている清宮。来季もふがいない成績なら殿堂入りもある?
一塁手はパのみならず、今年のプロ野球WVPに輝いた西武・山川穂高(31)の罪は特筆に値する。村上宗隆と同じくWBCで世界一の栄光を勝ち取ったが、強制性交疑惑(不起訴)により、わずか17試で今季を終えた。
「監督経験者として言わせてもらうと、シーズン当初からオーダーは頭の中にある中で、4番が欠場するほど痛いことはない。私も4番のカブレラ(51)が脇腹を痛めて開幕から13試合を欠場した(この間6勝7敗とまけこし)。4番の欠場は他のバッターにも大きく影響します。西武は山川が抜け、3番を打っていた森友哉も移籍した。相手投手はかなり楽になったと思うし、西武低迷のA級戦犯でしょう」(伊原氏)
愛甲氏が「昔は素人の女性と遊ぶなんてなかった。時代が変わったね。それにしても高額年俸がムダになった」と言えば、角氏は「不倫=世間のイメージは最悪ですからね。来年、野球できるのかなぁ」とプロ野球選手としての活躍の場を不安視する。
10月11日のフェニックスリーグで153日ぶりに実戦復帰した山川。果たして“完全復活”はあるのか。