俳優の財津一郎さんが10月14日、慢性心不全のため自宅で亡くなっていたことが分かった。89歳だった。
財津さんは藤田まこと主演のコメディー番組「てなもんや三度笠」(1962年~68年)に浪人・蛇口一角(へびぐちいっかく)役で出演。「ヒッジョーにキビシ~ッ!」「~してチョーダイ!」といったギャグがウケ、一躍、お茶の間の人気者になった。このフレーズは、初代イメージキャラクターとして出演を続けている「タケモトピアノ」のテレビCMでも使用されており、誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。
財津さんはかつて、1992年2月11日のワイドショー「EXテレビ」(日本テレビ系)に出演した際、司会の上岡龍太郎さん、島田紳助さんに、こう語りかけている。
「(仕事があるって)有難いことですね、上岡さん。僕は57年生きてきたけど、あと10年やって、66(歳)ですか。やれたら本当に幸せだね。謝謝の気持ち。感謝ですよ。あなたも、55(歳)過ぎたら人生感謝して生きた方がいいね」
財津さんが「あなた」と語りかけた相手は紳助さんだった。その紳助さんが暴力団関係者との黒い交際が報じられ、芸能界引退を表明したのが2011年。55歳の誕生日を迎える年だった。
何かを予感した財津さんの慧眼であったか…。そのとぉ~り!
(所ひで/ユーチューブライター)