弥彦「寬仁親王牌」◎郡司浩平/○古性優作/▲犬伏湧也/△新山響平
若手の機動型が躍動するほど盛り上がるのが、GⅠ戦の大舞台でもある。
今年のGⅠ第5戦となる弥彦「寬仁親王牌」(10月19日㊍〜22日㊐)。中心はSS班だが、GⅠはここまで4戦中2戦を若手が制している。3度目の新興勢力の制覇も十分ある、波乱含みの4日間になりそうだ。
西武園オールスターを制した眞杉匠に続いて南関の雄、郡司浩平が21年の全日本選抜以来、3度目のGⅠを手にする。盟友で好調な深谷知広の番手。直線が長い弥彦バンクだけに、好機に踏み出して突き抜けるとみた。
古性優作は今年のGⅠ4戦、すべて決勝戦に進出して2度優勝と、大舞台での活躍は突出している。落車負傷から回復途上の脇本雄太が出走を回避して単騎戦濃厚となったが、巧みな位置取りから逆転がある。
あとは、オールスターと平塚ダービーで決勝戦に乗った若武者・犬伏湧也の初戴冠と、徹底先行を貫く新山響平の逃げ切りを警戒。
有力候補に入らなかったが、清水裕友(山口)が着々と賞金を積み重ね、賞金ランキングは6位(10月12日現在)。勝ち上がれば犬伏-松浦悠士の3番手で脚をためられる。若手の下剋上とともに、清水の混戦浮上はとっておきの〝隠れキャラ〟かもしれない。
【大穴この1車】
阿竹智史(徳島・90期)。
GⅠ戦で高配当メーカーになっており、高松宮記念杯(⑥⑥④④②)最終日が4万9030円、ダービー(③⑦⑦⑧)初戦が1万3090円、全日本選抜(⑥①⑧⑧)2戦目が3万1240円。過去の親王牌でも昨年の前橋初戦3着が7万530円、一昨年の弥彦3走目に2着3万9530円というように、大穴の名演出者になっている。今年も1度は穴党を喜ばせる。
【狙い目の伏兵3人】
自転車競技で活躍する太田海也(岡山・121期)は、準決勝惜敗のオールスターで②①①④①と大暴れ。競走得点は121.80点で出場選手中、堂々の第1位。予選は突破する。
ナショナルチームに所属し、太田と同期で同い年の中野慎詞(岩手)も、オールスター(⑤②③⑧⑦)で準決勝に乗っている。主導権を取れば粘る。
上昇度ナンバーワンなのが町田太我(広島・117期)だ。前走の豊橋記念(①②③❶)を勝って勢いに乗っている。同型の機動型とマッチアップしても、一歩も引くつもりはない。
この3人とも決まり手は逃げ100%。風を切れば大物食いがありそうだ。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。