「佐世保記念」◎郡司浩平/○守澤太志/▲井上昌己/△新田祐大/中川誠一郎/和田健太郎/和田圭/椎木尾拓哉/久米良/武藤龍生/杉森輝大/伊藤颯馬
ルーキーにとって記念は大舞台。たとえ1戦でも結果を出すようなら、飛躍への糧になる。
「佐世保記念」(7月23日【土】~26日【火】)は、地元勢と北日本に南関を加えた三つ巴のライン戦になりそうだ。
本命には、郡司浩平を推す。昨年の覇者である和田健太郎がガードする南関は2車。3車が並びそうな九州と北日本勢よりラインは劣勢だが、郡司には位置取りと、さばきのうまさがある。中団から踏み出し、同じ九州地区の久留米記念惜敗2着の無念を晴らす。
対抗は守澤太志。いわき平ダービーで3着と表彰台に乗り、前走の全プロ記念(【1】【1】)はSPR賞勝ちと完全復調をアピールした。新田祐大の番手から抜け出し、鋭い差し脚で逆転も十分ある。仮に新田が早めに仕掛けて失速したとしても、守澤は切り替えて戦いそう。ヨコの強さは上位陣屈指だけに、狙われる選手にとっては脅威となる。
あとはこの地元記念を3度制している井上昌己と、まくりが強烈な新田の後方一気を警戒する。
その井上は、佐世保の大看板。伊藤颯馬─中川誠一郎の3番手で司令塔を務める。ダービーで3勝したように、第一線を退くつもりはさらさらない。タテのスピードは42歳にして、むしろ威力を増していると思わせるほど。盟友の中川しだいで4度目の戴冠もある。
【大穴この1車】
不破将登(岐阜・94期)。
最新の万車券は4月武雄記念初日3着の14万450円。細切れ戦の筋違い、しかも6番車が2着で高配当になった。記念では3月名古屋と1月立川の3日目1着が3万円と4万円。まくり脚に加えて、ゴール前では鋭いタテ脚を発揮する。4度目の記念でも1本は大穴を演出するとみた。
【狙い目の伏兵3人】
1月にS級入りした阪本和也(長崎・115期)は、昇級初戦の大宮記念に4、5月のGIII青森と函館記念でも準決勝に乗った。父は現役の正和(70期・S2)。新人離れした器用な脚の持ち主で、地元戦で目指すは、記念初勝利だ。
大物ルーキーと評判の志田龍星(岐阜・119期)が、着実にステップアップしてきた。まだ取りこぼすことはあるものの、先行力は高く評価されている。大相撲にたとえるなら十両寸前だろう。幕内クラスと互角の勝負に持ち込むシーンを見てみたい。
山本勝利(東京・117期)は、S級2場所目で記念を走ることになるが、通用するかどうかは未知数。正攻法で戦うだけだ。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。