社会

安倍晋三 「大義なき解散」の裏にあった政権大暗闘(3)アベノミクスを採点すると?

20141127c

 実は、今回の選挙には「アベノミクスの信を問う」というわかりやすいテーマがある。総理みずからその成果を繰り返し喧伝するが、三橋氏はこう採点する。

「経済の目的というのは『経世済民』。つまり国民が豊かになっていなければ、あらゆる経済政策は失敗です。今『何点つけますか?』と問われれば0点です」

 しかしアベノミクスで株価が大幅上昇したことは事実である。円安の影響でトヨタは今年7-9月期の純益が約2兆円にもなった。企業収益は上がり一部企業では給与も上がっている。

「それでも安倍政権によって実質賃金がマイナス3%という状況が続いています。原因の1つは消費税8%増税。物価を1.7%押し上げましたが給与はそこまで上がっていません。2つ目は円安です。輸出という需要が想定していたほど生み出されておらず、物価だけが上がりました。3つ目は原発を止めたことによる電気料金の上昇です。これにより可処分所得が下がっています」(三橋氏)

 円安の影響で海外に生産工場を移した企業が再び国内に生産拠点を戻している。餃子の王将は国産となり、ホンダなど多くの企業が戻ってきつつある。つまり内需拡大が期待できるはずだ。しかし──、

「海外に拠点を移したのはリーマン・ショック後の円高が原因です。当時、企業は死活問題として外に出ました。でも、何が原因で再び円高に戻るかわからない状況で、企業が全部戻ることはありえないのです。効果を否定はしませんが過度な期待はダメです」(三橋氏)

 みずからの経済政策への批判に対して安倍総理は、

「株価が上がれば消費が増える」

 と繰り返してきた。

「総理は株価を指標に政策をやろうとしていますが、日本人の家計で資産に占める株式の割合は5%くらいです。アメリカ家計の30%とは別なのです。そこがわかっていないのか、詭弁を弄しているのかどっちかです」(三橋氏)

 原点に帰れば「アベノミクス」の目的はデフレからの脱却である。ノーベル経済学賞受賞者・クルーグマンはニューヨーク・タイムズにこう寄稿した。

〈日本がデフレの罠から脱却するために必要な政策である〉

 しかし、13日にIMF(国際通貨基金)から財務省、日銀などにある資料が送られてきたという。

「『日本は今年に入ってから消費者物価指数が実際のところは全体で見てもプラス0.3~マイナス0.2の間を推移している』ということが書かれていました。この数字の意味するところは、デフレが脱却できていないということです」(三橋氏)

 この資料は公開されていないという。

カテゴリー: 社会   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
3
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏
4
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」
5
ミャンマー震源から1000キロのバンコクで「高層ビル倒壊」どのタワマンが崩れるかは運次第という「長周期地震動」