大晦日のNHK紅白歌合戦の出場歌手が発表され、結局はSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)所属タレントの出場は「ゼロ」となった。
NHK・稲葉延雄会長(元日銀理事)は10月18日の定例会見の時点で、性加害問題のあった旧ジャニーズ所属のタレントの出場について「補償や再発防止対策がきちんとできているかどうか確認できない限り契約することは難しい」と言及。これで旧ジャニーズに所属している限り今年のNHK紅白への出場は絶望的となっていた。
テレビのキー局として最も旧ジャニーズ事務所に「忖度」をしていたのはNHKに他ならない。その「根っこ」にある部分が紅白だった。
「NHKが年々、視聴率獲得に躍起になる中で頼っていたのは、旧ジャニーズのタレントたち。彼らがいなければ紅白は成り立たない状況になっていました。問題なのは、そんな紅白の制作費の詳細がいくらなのかも分からないこと。原資が国民が義務として払わされている受信料であるにもかかわらずです」(テレビ誌ライター)
NHKには毎年6000億円を超える巨額の受信料収入がある。旧ジャニーズのタレントは昨年までなんと43年連続で紅白の出場を続けてきた。しかも、司会までいつの間にか旧ジャニーズ勢の「指定席」となり、そこへ大枚が注ぎ込まれていたことは想像に難くない。
「蜜月ぶりは火を見るより明らかですが、国民のカネが使われている以上、NHKはその関係をいったん断たなければならなかった。そうしなければ、いったい制作費がいくらかかっているのか、明らかにすべきとの声も上がってきますからね」(芸能記者)
旧ジャニーズ「ゼロ」の紅白で、いったいどれほどの視聴率が取れるのか。これまでジャニタレに頼っていたNHKの手法が正解だったのか誤りだったのか、旧ジャニーズの価値とともにはっきりとわかるだろう。
(小田龍司)