藤岡弘、といえばなにはさておき、仮面ライダー1号こと本郷猛だ。今さら蒸し返して申し訳ないが、「シン・仮面ライダー」で池松壮亮が演じた本郷猛はちんちくりんで、コレジャナイ感しかなかった。それもこれも、藤岡のライダーがあまりにも完璧すぎるから。
そして「せがた三四郎」は、かつてセガが発売した家庭用ゲームハード機「セガサターン」テレビCMのイメージキャラクター。道着を纏った藤岡がカメラ目線でスゴんで「セガサターンしろ!」と言う、ちょっとシュールな演出などインパクトが強かった。
さらに、水曜スペシャルの人気企画「川口浩探検隊」シリーズを継承する「藤岡弘、探検隊」での新隊長姿も印象的だった。
最近はイケメンの長男や美人3姉妹の娘との共演が多く、「子供たちの誕生日にサバイバルナイフを贈る」などといった仰天エピソードを披露して共演者や視聴者を驚かせたりしつつ、愛する我が子たちを目を細めて見守る子煩悩な側面を見せてくれている。藤岡の印象はライダーの頃から一貫して、「生真面目」「質実剛健」「ラストサムライ」のイメージだ。
そんな藤岡が11月24日の「マツコ&有吉 かりそめ天国」(テレビ朝日系)にVTR出演した。宮崎県をロケで回るどぶろっくに同行し、宮崎の魅力を伝えるという役回りだ。愛媛県出身の藤岡だが、今年3月まで宮崎放送の「わけもん!!」なる番組で12年間、「藤岡弘、宮崎ぶらり旅」というコーナーにレギュラー出演していたということで今回、出演することになったという。
ところで、どぶろっくといえば、森慎太郎と江口直人による、いやらしい歌ネタを得意とするコンビ芸人。藤岡とは真逆の彼らだけに、委縮して変にかしこまるか、いつも通りに下ネタ爆発で藤岡を激怒させるか、どちらかだろうと思って見始めたのだが…。
こちらの予想はいい意味で裏切られ、どぶろっくのワンパクぶりにも藤岡は懐の深いところを見せて、今年一番の神ロケとなったのだ。
最初に訪れた日南市で、郷土料理の「魚うどん」を食べた時のこと。ひと口すすって「うまイチモツ!」といつもの調子で言う江口に、苦笑いの藤岡。さらに江口が「女将さんの下着かなんかで出汁を」とボケると、大笑いで喜ぶお店の女将さんをヨソに、藤岡は無言で渋い顔。しかも「ちょっと不機嫌なんだよ、俺」と言い出す始末だ。
それでもめげない、どぶろっく。続いて「ごんぐり」と呼ばれる、マグロの胃袋のから揚げを食べると、今度は森が「二の腕にかぶりついたような食感ですね」と感想を述べる。藤岡は「確かにまぁ…」と言葉を濁しながら苦笑い。
ロケの締めにはどぶろっくが感謝の歌ネタを披露するのだが、これがまたもや下ネタ。横で聞いていた女将さんは大喜びし、腕組みする藤岡もついに吹き出した。まさに力技でねじ伏せた形に。
次に訪れた地鶏の専門店では、鶏刺し5種盛りをいただく。まず胸肉を食べた江口が「味が濃ゆい。歯応えはあるけど、ちゃんと柔らかい。恐らくですけどDカップですね」と食レポ(?)。すると藤岡は「そういう表現もあるのか」と首をかしげたが、一拍置いて「確かにDカップだな」と納得だ。いよいよハマッてきた様子を見せ、その後のロケ先でもなんやかんやといい感じになった。
最後は3人で温泉に入ることになるのだが、上機嫌で泳ぎ出した江口が、湯船に浸かる藤岡の前を通過。どうやら江口のイチモツが自分の手に触れたようで、「おい、俺の手に触るじゃないか!」と、もはやアキレ顔で笑う藤岡。スタジオでVTRを見ていたマツコ・デラックスと有吉弘行も大笑いだった。
当初、「混ぜるな危険」と思われたこの組み合わせだったが、結果的には大成功だった。どぶろっくの2人は藤岡の美人の娘たちとの共演を嘆願していたが、こちらとしては藤岡とだけの純粋なコラボ第2弾、第3弾が楽しみで仕方がない。
(堀江南)