中高生向けの新聞「朝日中高生新聞」(朝日学生新聞社)紙上の、大塚製薬の広告が物議を醸している。タイトルは「思春期のうちに学んでおきたい! ココロとカラダの健康を守ろう講座」というもの。学生に向けて「今こそ知っておくべきこと」を指南する「連載広告」だ。11月19日に出されたのが「5時限目」で、「ライフプランを立てよう」がテーマだ。ここで「指南」しているのは、レディースクリニックの女性院長なのだが、
「男女のイラストがあって、それぞれが思い描くライフプランのワードが書かれていますが、男側には『就職』『海外で暮らす』『起業』などという仕事のワードがあるのに対し、女性側はというと『子育て』や『妊娠』のほかに『推しを応援する』や『白馬の王子様を待つ』という、およそライフプランとは呼べないワードが…」(生活ジャーナリスト)
さらには「40歳でも子どもは産めますよね?」という質問に答える形式で、「女性の各年齢における卵子の数の変化」とうグラフがある。それによると、女性の卵子が最も多いのは母親のお腹の中にいる胎児3カ月の頃であり、40歳や50歳ではゼロに等しくなっている。都内の産婦人科医が顔をしかめる。
「卵子の数を元にライフプランを立てろというのは、はたしてどうなのか。女性は年齢とともに卵子がどんどん少なくなっていく一生だ、と言わんばかりの内容です。だから子どもをさっさと産みましょう、というメッセージなのでしょうか。今の時代、女性だって海外で仕事をしますし、起業もします。しかも白馬の王子様を待つなど、今どきの女性を何だと思っているのでしょうか。卵子にしても、40代や50代でもたくさんある女性はいますし、個人差があります」
確かに「子供にこれは見せたくない。キモイ」というSNS投稿も見受けられる。こうした思考を押し付けられるのが嫌で、女性の結婚率が下がっている側面もあるのでは…。
(小津うゆ)