ベストセラー作家で、政治団体「日本保守党」を立ち上げた百田尚樹氏が、2020年のアメリカ大統領選で不正があったとの発信を繰り返していた問題で、YouTuberのKAZUYA氏から追及されている。KAZUYA氏はXに投稿し、次のように批判した。
〈少なくとも現実世界の百田尚樹さんは「いい人」だと思う。しかしネット、特にXではとんでもない攻撃性が出てしまう。さらに2020米国大統領選挙が典型だが、次々と怪しい話に飛びついた上で訂正も何もしない。本当に残念だし勿体無いと思う。もう取り返しがつかない〉
百田氏は直ちに、これに反応。
〈いくつかの州で大掛かりな不正があったと今も思ってる。君はなかったと信じているらしいが、議論する気はない。私に失望してるなら、もう私に構うのはやめたらどう?〉
百田氏は2020年当時、ツイッター上で次のように発信していた。
〈私は米大統領選挙は大規模な不正があったと思っている〉(11月13日)
〈もし、今回の米大統領選挙で不正が暴かれず、バイデンの勝利となれば、今後、アメリカではもうまともな選挙は永久に行われなくなるだろう。共和党はまるで勝てなくなり、やがて民主党の一党独裁となり、中国と手を結び、世界は長い暗黒世界となる。このツイートを笑う者は、愚か者か悪者である〉(12月4日)
KAZUYA氏は反論し、百田氏に訂正するよう促した。
〈僕がこれまで発信してきたのは「選挙結果を覆すような大規模な不正を示す証拠がない」ということです。ですから「なかったと信じている」という表現はおかしくて、根拠がないからあったとは言えないっていうだけの話です。当時は日本のネットの一部もめちゃくちゃでしたが、有本さんがHONDAの件で認めたように百田さんも当時のことを今一度振り返って頂くと良いのではないかと思います。認めて訂正・謝罪したらその論点で批判されることもなくなりますし、気が楽になると思います〉
結局、百田氏が〈なんか小学生を相手にしてる気がしてきた〉として打ち切ったが、日本保守党では最近、事務総長を務めるジャーナリストの有本香氏がオートバイの販売台数、売上高世界首位のHONDAについて「中国によってブランドを乗っ取られちゃった例なんですよ」と語っていたが、事実と違うと批判され、訂正した。
来年のアメリカ大統領選では再び、トランプ氏とバイデン大統領の対決となることが予想されている。百田氏も作家としては許された2020年の大統領選をめぐる発言について、政治団体の代表となると、立場は異なってくる。はたして百田氏がKAZUYA氏の言うように訂正に応じるのか、注目される。
(喜多長夫/政治ジャーナリスト)