続いて注目するのは、日本馬が5頭参戦する第7Rの「香港マイル」だが、こちらも強力な外国勢が立ちはだかる。秋山氏は次のように見解を示す。
「史上初めて3季連続で香港年度代表馬に輝いたゴールデンシックスティが最上位。20年、21年にこのレースを連覇していて、昨年は前残りの流れで逃げたカリフォルニアスパングルをつかまえきれず、2着惜敗に終わりました。しかしその後の対戦では、常に射程圏に収める競馬で2戦2勝。力量上位を見せています」
今年8歳になったが、4月までにGⅠを3連勝するなど年齢的な衰えはない。
「さすがに能力的な上積みは期待できませんが、末脚勝負一辺倒だった以前とは異なり、前付けができるようになったことで安定感は増しています。ただ、ここは予定どおりとはいえ、4月以来のレースで今季初出走。少なくとも1度は使っていた過去3年の臨戦過程と大きく異なる点は気になります」(秋山氏)
シーズン初出走での優勝は13年にグロリアスデイズが成し遂げているが、休み明け初戦となれば日本勢にもつけいるスキはありそう。先日のマイルCSを△△◎△で的中させた増井TMの見立てはこうだ。
「優勝したナミュールは馬体減りの心配がなくなり、心身両面で充実著しい。右回り、直線平坦コースを克服しての待望のGⅠ初制覇でしたので、輸送で馬体をキープできればGⅠ連勝の期待もあります。ただ、2着のソウルラッシュも、ここを見据えて前走からモレイラ騎手が騎乗。直線平坦のコースで決め手が増した点は心強いですね。マイルCSの前に兼武助手が『使える脚は長くないので、馬場や展開がかみ合ってほしい』と話していましたが、厩舎と相性抜群の名手なら仕掛けのタイミングに狂いもないはず。スタートセンスがよくて香港向きの馬なので、一発を警戒します」
安田記念馬のセリフォスと、昨年の香港Cで2着の実績があるダノンザキッドの評価は、どうか。
「前者は状態面の上積みは期待できますけど、やはり気性面の不安定さは気になる材料です。後者は大型馬でキック力の強さは人気馬と遜色なく、一発の魅力を秘めていますから、軽視はできないですね。もう1頭のディヴィーナは今年9戦目。ローテーションからも大きな上積みは期待できません」(増井TM)
海外勢の伏兵馬としては2頭の名前が挙がる。
「前哨戦のGⅡジョッキークラブマイルを制したビューティーエターナルは、上昇一途で一気に世代交代を成し遂げても不思議はありません。そのレースで短アタマ差の2着に追い込んだビューティージョイは、勝負どころで騎手がムチを落とすミス。ペースが上がれば上位争いも可能でしょう」(秋山氏)
第4Rの「香港ヴァーズ」(15時10分)は、日本勢のワンツーの期待が膨らむが、「大将格のシャフリヤールはBCターフ(3着)のあと、ここを目標に早めに現地入りして調整されています。ゼッフィーロは、ここにきて地力強化が著しいですし、3歳馬レーベンスティールやGⅠ馬ジェラルディーナの走りも注目です」(増井TM)
マッドクールとジャスパークローネが挑む第5Rの「香港スプリント」(15時50分)は、
「昨年も上位4着までを占めたように香港勢が強いレース。中でもラッキースワイネスが抜けた存在で、相手も香港勢をマークしたいですね」(秋山氏)
2人の媒体での最終予想も参考に、師走の臨時ボーナスゲットといきたい。