エンゼルスからFAとなっている大谷翔平投手の争奪戦が、連日メディアを賑わせている。
各球団の関係者や選手の代理人が集まり移籍交渉などが行われる大リーグのウインターミーティングはナッシュビル(米テネシー州)で12月4日から7日までの4日間行われたが、大谷の去就については、代理人のネズ・バレロ氏が会場に訪れることはなく大きな動きはなかった。
メジャー選手の移籍に関し大きなカギを握る代理人だが、代理人とはそもそもどんな仕事をしているのか。阪神、中日のほか、カブスやインディアンスなどメジャー経験もある福留孝介氏が、5日放送の「おはよう朝日です」(ABCテレビ)で代理人の仕事の内容について話していた。
福留氏によると、代理人とは「芸能人のマネージャーとほぼ同じ」という。まず思い浮かぶのはギャラ交渉だが、
「僕がゴルフとか遊んでいる間にも、(別のところで)交渉していますし、このゴルフ場(の予約)も実は代理人が取っていてくれたとか、そういうことまで全部してくれる」
という。他にもスポンサーとの契約を取りに行ったり、若手選手の発掘・売り込みといった仕事もある。さらに、
「アメリカは1人の代理人が何十人の選手を抱えている。代理人が大谷選手のような大きい選手を勧める間に、こっちの選手も一緒にどうですかという売り込みもする」
とバーターを持ちかけることもあるとか。ときには食事のセッティングもしてくれるそうで、
「僕がこの選手と1回会ってみたいと言うと、代理人が次のときに『ご飯をセッティングしたから一緒に食べよう』と。それからその選手と仲良くなって、その選手がアメリカで2000本打ったときはジェラルミンのバットケースをその選手に送ったりとか。そういうふうに選手ともうまくつないでくれる。そういうことまで本当になんでもしてくれます」
と説明した。ちなみに代理人の報酬は契約金の約5%といわれ、仮に大谷の契約が約880億円で決まれば、バレロ代理人は約44億円の報酬を手にすることになる。さぞかし代理人も交渉には力が入るだろう。
(鈴木十朗)