JRAは11月23日、香港国際競走(12月11日・香港シャティン)の招待を受諾した日本馬全14頭を発表した。
香港国際競走は、毎年12月第2週頃に行われる香港ジョッキークラブ主催の競馬イベントシリーズのメインイベント。香港C(芝2000メートル)、香港マイル(芝1600メートル)、香港スプリント(芝1200メートル)、香港ヴァーズ(芝2400メートル)の4つの国際招待競走(いずれもG1)の総称だ。
総賞金額2800万ドル(約4億9700万円)の香港カップには、今年の皐月賞馬ジオグリフ(牡3歳、美浦・木村)ら5頭が出走。同2500万ドル(約4億4400万円)の香港マイルには、先日のマイルCSで惜しくも5着に敗れたシュネルマイスター(牡4歳、美浦・手塚)ら3頭が出走する。
手塚師は「マイルCSは難しい競馬になってしまったが、レース後も問題がない」と手応えを感じ取っているが、14頭の中には不安要素を抱える馬もいる。
香港C出走のレイパパレ(牡5歳、栗東・高野)、香港スプリントに出走するレシステンシア(牡5歳、栗東・松下)、香港ヴァーズ出走のグローリーヴェイズ(牡7歳、美浦・尾関)に、ジョアン・モレイラの騎乗が決まったからだ。
モレイラは香港を拠点に活躍し、その圧倒的な成績から「雷神」と呼ばれてきた。
だが、9月11日の今シーズン開幕後は15鞍に騎乗して未勝利。9月21日の騎乗を最後に、痛みがある左股関節の治療のため休養し、23年からの騎手免許も返上している。
また、一説には新型コロナウイルス感染症拡大の余波で家族がブラジルに帰国し、単身での生活にストレスを感じているという。
万全の状態ならシャティンを知り尽くしているモレイラの騎乗は百人力だが、体とメンタルに不安を抱えて、本来の騎乗ができるかどうか。
過去、日本馬は95年に香港Cを勝ったフジヤマケンザンを皮切りに、モーリス、ラヴズオンリーユーらが香港国際競走で勝ち鞍を挙げてきた。その輝かしい伝統を今年も守り、荒稼ぎできるか。