「香港カップ」同様、日本馬に注目の集まるレースが「香港スプリント」だ。
秋山氏によると「基本的には日本馬にとって鬼門のレース」だそうで、香港勢を次のように分析する。
「過去10年で、香港勢が7勝と抜群の成績を残しています。ただ今年は、確固たる中心馬が不在ですから、日本馬も含めて手広くいくべきでしょう」
中でもラッキーバブルズは、馬券の軸としてオススメだという。
「今年5月、ここと同条件のGIチェアマンズスプリントプライズで、豪のトップホース・シャトーカの2着。そのシャトーカが不在なら、最上位の存在です」
香港勢の2番手はノットリスニントゥーミーだ。
「前走GIIジョッキークラブスプリントでラッキーバブルズを下して、それまでの1000メートル専用馬のイメージを払拭しました」
15年の高松宮記念を完勝したエアロヴェロシティや、昨年の勝ち馬ペニアフォビアも怖い存在となる。
「前者は実力なら1番でしょう。ただ心房細動や疝痛などのアクシデントが続き、やや峠を越えた感も否めません。後者は先行力がピカイチです。前が残るような展開であれば‥‥」
対する日本馬については、牧野氏が解説する。
「ビッグアーサーはスプリンターズSで12着に敗れましたが、心配ないですね。放牧先から戻ってきて、態勢は万全です。藤岡調教師が『最後に脚が上がるのは織り込み済み。この追い切りをすることで仕上がる』と話されたように、しっかりと負荷をかけて、いい状態に見えました」
同馬が海外で走るのは今回が初めて。どんなに実力がある馬でも、初遠征というのは気になるところだ。
「馬の順応性に左右されますよね。当日の馬体重が1つの目安になると思います。大幅に増えていたり、落としている時は疑ってみてもいいかなと」
同じレースに出走するレッドファルクスも、海外遠征は初めてとなる。
「馬は初めてですが、尾関調教師は昨年もサクラゴスペルで参戦しています。海外遠征に積極的で、キズナの帯同馬だったステラウインドは管理馬。現地に同行して、調教や実戦を経験しているのは心強いですね」