支持率低下に安倍派の巨額キックバック疑惑など、次から次起こる問題に完全に思考停止に陥っている岸田文雄首相。その苦難から逃げられるように11月末、COP28(国連気候変動会議)出席のためUAE入りし12月3日に帰国したが、お得意の外交も空振りに終わったようだ。
岸田首相は現地でイスラエル大統領などと会見し和平を訴えたが、その直後にイスラエルがガザ攻撃を仕掛け面目丸潰れ。肝心のCOP28でも国際的な環境団体「気候行動ネットワーク」が、日本を対策に消極的な国として「化石賞」に選んだ。理由は岸田首相の石炭火力発電重視の姿勢だ。
欧州メディア関係者が失笑する。
「岸田首相はCOP28に参加中のエジプトのシシ大統領と夕食会を開き、同国の経済・財政状況の改善のため2.3億ドル(約335億円)の財政支援検討を伝えている。理由はハマスとイスラエルの和平解決に貢献していることと、この衝突でエジプトの観光に影響が出ていることに対しての支援だという。日本はもう金持ち国家でもないのに、岸田さんはまだバラマキ外交していると陰で笑われています」
実はその一方で株を上げていたのは小池百合子東京都知事だという。経済誌記者が言う。
「COP28では各国の首都のリーダーたちも参加し小池知事もドバイ入りしていましたが、そこで彼女が打ち出したのが東京に水素取引所を開設する構想。水素普及に取り組むドイツの機関『H2グローバル』と連携し、具体的な準備や調整に着手しているというので大いに注目されていました。そして陰で言われていたのはやはり『バラマキの岸田と水素取引所開設に意欲を持つ小池ではどっちが日本のプライムミニスターか分からない』。国内でもネット民の間で、今度は『バラ撒きメガネ』などと失笑を買っています」
帰国した岸田首相には、キックバック疑惑に加え新たな問題がくすぶり始めている。自民党政調会長時代、旧統一教会の友好団体幹部と面会していたという一部報道だ。首相本人は「承知していない」とはしているものの、新たな追及の材料が生まれたことは間違いない。八方塞がり、火ダルマとなりつつある岸田政権。永田町では、果たしていつまで持つかとのカウントダウンの声が大きくなっている。
(田村建光)