「佐世保記念」◎嘉永泰斗/○新田祐大/▲吉田拓矢/△北井佑季
長いラインのガード役に徹するベテラン選手が狙うのは、表彰台を独占することだ。
「佐世保記念」(12月14日㊍~17日㊐)は、有力候補に挙げた5選手を含めて九州勢が圧巻のメンバーを誇る。東日本勢は2人のSS班が中心になるが、苦戦を強いられそうだ。
GⅠ戦は高松宮記念杯とオールスターの準決勝に乗り、次代を担う若手選手の1人と目される嘉永泰斗。ここは、鉄の結束を誇る九州ラインから圧勝劇を演じるとみた。松本秀之介か岩谷拓磨が先頭に立ち、3番手の嘉永の後ろは荒井崇弘-井上昌己が固める。2段どころか3段駆けも望める嘉永が、今年2度目の記念優勝を飾る。
井上とともに、九州のまとめ役になるのが荒井だ。平塚ダービーの準決勝を走っているように、いまだに第一線で活躍している。嘉永には「好きなところから行け」とフリーパスを渡し、全力でガード。地元勢での表彰台独占も狙っているはずだ。
対抗は、まくり一発にかける新田祐大。北井佑季が先行争いで1歩も引かないようなら、逆転もある。あとは、展開に応じて仕掛ける吉田拓矢と、立川ヤングGP(12月28日)に出走する北井を押さえておきたい。
その吉田はオールスター以来の実戦になるが、十分に乗り込んで臨むことになる。SS班だった頃の脚力が戻っているのも自信になり、吉田-坂井洋-平原康多の関東トリオで、果敢に攻めるのではないか。
【大穴この1車】
須永優太(福島・94期)。
好位はなくても、ゴール前伸びる差し脚に期待できる。グレード戦では3場所前の大垣(④⑥⑦①)最終日の1万円超まで、GⅢ戦は3場所連続で万車券を演出。8月京王閣(⑤⑥⑦①)最終日が2万円超、6月向日町(⑤①④⑦)の2次予選5万円超はラインの3番手だった。2本は厳しいが、高配当は1着流しで狙ってみたい。
【狙い目の伏兵3人】
立部楓真(佐賀・115期)は、S級返り咲き3場所目にGⅢ和歌山(①④③❻)と好走している。先手を取れば粘る。
5月に特昇後、着実に力をつけてきたのが東矢圭吾(熊本・121期)だ。先行に迷いはなく、立部とともに九州勢の先頭で主導権は誰にも渡さない。
1月に1班に復帰する小林泰正(群馬・113期)が1着を量産している。10月京王閣記念(①①④①)の勢いで、予選突破以上があってもおかしくない。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。