去る12月8日、東京・永田町の参院議員会館で行われた「今こそ政治改革‒政治とカネ‒」と題した集会に田中眞紀子元衆院議員(79)が登場。自民党・岸田内閣をバッサリ一刀両断にした。久々に聞かれた威勢のいい啖呵に、復帰を望む声も飛び出して‥‥。
「このダミ声、11年ぶりに永田町の土を踏みました。相変わらず空気がきな臭いし、暗い感じがするなというのが第一印象」
「賞味期限切れの人が総理になり、閣僚になり議員になっている」
「歳費は129万4000円。月々ですよ。文通費、私の頃は20万円、今は100万円。調査研究費、何の調査やっているんですか? 国会議員って歳費や文通費の他にもお金いっぱいもらっているんです」
自民党安倍派議員らによる政治資金パーティー収入の裏金化疑惑が明るみに出て、閣僚らの辞任ドミノが続き、岸田退陣論がささやかれる中での眞紀子氏の会見。その真意について、政治評論家の小林吉弥氏はこう解説する。
「結局、眞紀子氏は、今の自民党・岸田政権に物足りなさを感じているということです。眞紀子氏の父親でもある角栄氏は『日本列島改造論』という大綱を示し、強いリーダーシップを持って、外交でも何でも、とにかく国民目線に立ち、日本国民のために政治を遂行してきた。それに対して最近の政治を見ていると、岸田総理をはじめ、大半の政治家たちは自分たちの私利私欲、党利党略、そういう目先の利益ばかりに目がくらんで、国民に目を向けた政治が行われていない。そのことへの不満を爆発させたのでしょう」
昨年7月に起きた安倍晋三元総理銃撃事件以降、自民党と旧統一教会との親密すぎる関係が次々と発覚するも、国民に対していまだに十分な説明が行われていない。岸田内閣の支持率は急落を続け、最新の世論調査ではついに17.1%と最低の支持率を更新。まさに、土俵際まで追い込まれている岸田内閣を痛烈に批判し、改めてその存在感を知らしめた〝独演会〟だった。水面下では、政権交代を目論む野党との共闘もささやかれているという。
「12年の衆院選落選後、国会議員は引退したが、人をひきつける話術はず抜けている。今回の眞紀氏の会見は、テレビニュスでも報道され、さらにーチューブにおいて会見画のノーカット版がアッされると、わずか3日で40万回以上、再生されまし。眞紀子氏の抜群の注目と影響力は、『打倒自民る野党にとっては、選挙戦戦力となる。立憲民主党で冷や飯を食わされている枝野幸男衆院議員と眞紀子氏は、93年当選の同期でもあり、互いに認め合う仲でした。今後の政局次第では、野党が担ぎ出す可能性もあります」(永田町関係者)
当の眞紀子氏だが、8日の会見時に自身の政界復帰について質問が及ぶと、「別に売名でやろうとか、新党を作って頑張ろうということは思っていない」ときっぱり否定している。
岸田総理をはじめとした現在の閣僚たちを「賞味期限切れ」とバッサリ切り捨てた眞紀子氏本人も、来年1月には傘寿を迎える。それでも、政界復帰を期待してしまうのだが‥‥。