Jリーグが始まってから最大の改革が行われることになった。現行の「春秋制」から、秋にリーグ戦が開幕し翌年の春に終了する「秋春制」への移行が決定。2026〜2027年シーズンから実施される。
春秋制で始まったJリーグだが、選手の移籍が円滑に進められるように欧州と同じ秋春制を採用する声が高まっていた。書き入れ時の夏休みがオフシーズンになり集客に不安があること、豪雪地帯のクラブが冬場に試合を開催するのが難しいことなど問題があり、なかなか移行が進まなかったが、ついに実施されることになる。
シーズン開始が秋になることで、クラブの勢力図にも変化が起きそうだ。サッカーライターの話。
「例えばブラジルは、日本と同じ春秋制を採用する世界的には珍しいリーグです。そのためブラジル人選手がJリーグにスムーズに移籍できたわけですが、秋春制となればそうはいかない。ブラジル人選手に頼っているチームは厳しくなるでしょう」
ブラジル色が強いチームといえば、真っ先に思い浮かぶのが強豪・鹿島アントラーズ。ジーコのコネクションを活かし、レオナルドやジョルジーニョ、ベベットといったブラジル代表選手を獲得。黄金時代を築いてきたが、
「問題はありません。鹿島はジョアン・カルロスやトニーニョ・セレーゾ、オズワルド・オリヴェイラとブラジル人監督が指揮を執ってきましたが、22年にはスイス人のレネ・ヴァイラーが監督に就任。レネ・ヴィッセル体制はうまくいかなかったものの、ブラジル色は確実に薄まっていますからね」
その点、横浜FMやFC東京など、秋春制になることで今のトップチームが力を失う可能性はある。26年以降、名門がJ2に降格するのを見ることになってもおかしくない。
(鈴木誠)