先ごろ総務省が郵便料金の上限を引き上げる省令案を発表し、日本郵便では2024年秋ごろにはがきの価格を63円から85円へ改定することが明らかとなった。「年賀状離れ」が進む中での値上げで、今年で発送を最後にする「年賀状納め」をする人が急増しそうだ。
「メールやSNSなどの普及により郵便物の数は減少を続け、22年度決算では07年の郵政民営化以降、初めて郵便事業が赤字に転落しています。こうした状況を受け、郵便の安定的な供給を継続するため定形郵便物の上限料金を84円から110円に値上げすることが決まり、はがきは22円の値上げとなる予定。郵便料金の値上げは消費税の引き上げ以外では約30年ぶりのことで、ネット上でも驚きの声が相次いでいます」(社会部記者)
はがきの値上げで大きな影響を受けそうなのが年賀はがきだ。03年の44億5936枚をピークに発行は減少を続け、直近14年では連続でマイナスを記録。23年は16億4000万枚で、実にこの20年間で半分以下にまで減少している。現在も年賀状の「辞めどき」を探している人も多く、来年の値上げがそのタイミングとなってしまいそうだ。
となると、今年出すのが最後の年賀状になるケースも多そうだが、年賀状納めをする際に注意しておきたいことがある。
「毎年出していた年賀状をピタッと辞めてしまうと、これまで送っていた相手が安否を心配する可能性も出てきます。そのため最後の年賀状には一言、『本年で年賀状納めをさせていただくことにしました』と加えるべきでしょう。今後はメールやSNSで挨拶をするのであればその旨も記載し、相手がメールやSNSのアドレスを知らない場合はアドレスも伝えてあげるのが親切。今となっては、年賀状を出さないことを無礼だと思う人もほぼほぼいないでしょうから、素直に伝えるのが良いと思います」(マナー講師)
再来年の年賀状は大幅に減少しそうだ。
(小林洋三)