香港に本社を置く市場調査会社、カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチが発表した、2023年におけるグローバル市場でのスマートフォン出荷台数予測によると、11億6000万台となり過去10年で最低となる見通しだという。スマホの出荷台数はここ数年右肩下がりとなっているが、原因は何なのか。
「2023年第4四半期の出荷は前年同期比3%増の3億1200万台と増加傾向となったものの、1年を通しては前年比5%減という予想となりました。中国に加えて中東、アフリカ、インドなどの新興市場は減少から脱却しつつありますが、引き続き北米や欧州では停滞が続いてるといいます。24年は今年より3%の微増が見込まれているものの、スマホ業界は引き続き厳しい状況が続くと予想されてます」(ITジャーナリスト)
スマホが売れなくなったのは主に3つの理由があるとされる。1つ目は世界的な物価高だ。税金の影響もあるが、iPhone15はトルコでは27万円超、ブラジルでは21万円超で販売され、気軽には購入できないものとなっている。2つ目はスマホの耐久性の向上。昨今のスマホはとにかく丈夫で壊れにくいため、5年以上使用するという人も少なくない。
そして最後の3つ目は、テクノロジーの大幅な進化がないこと。ここ数年は驚くような新機能の登場もなく、カメラ機能の向上など僅かなアップデートに留まっていることも買い替えが進まない原因という。
「売れないスマホですが、期待の星がないわけではありません。それは、折りたたみスマホです。折りたたんだ時はスマホとして、広げた時はタブレットとして使用できる折りたたみスマホは多くの人が興味を持っていると思われます。ただし、現状では価格がゲーミングPC並みで、モノによっては中央の折り目にシワが入ったり故障しやすかったりと問題も少なくないため、普及するまでにはもう少し時間が必要でしょう。あくまで噂レベルですが、Appleは25年頃に折りたたみのiPhoneの投入を予定しているとの情報もあるので、スマホの出荷台数が回復していくのもその頃になるのではないでしょうか」(前出・ITジャーナリスト)
今はスマホを買い替える時期ではないかもしない。
(小林洋三)