21世紀に入ってNHK紅白歌合戦は視聴率が低下し、以前ほど注目を集める番組ではなくなっていった。出場歌手の選考に疑問の声が上がったのもこの時代。それでもスターはNHKホールのステージに立った。
この時代の紅組を代表するのが1位に輝いた安室奈美恵。初出場した1995年から2003年まで9回連続で出演。存在感を見せつけた。
「当時の衣装を見たい」(59歳・公務員)
「茶髪が懐かしい」(48歳・派遣社員)
「小室哲哉がピアノを弾いた回(00年)があったと思う」(43歳・会社員)
と、曲だけでなくアムラーファッションを懐かしむ声も多かった。
2位は中森明菜。1983年から88年まで連続出場したが90年代の出演はなく、2002年に14年ぶりに出場し「飾りじゃないのよ涙は」を歌った。2000年代に明菜が出場したのはこの1回だけ。しかしインパクトは十分で、
「久しぶりに紅白に出た中森明菜が忘れられない」(51歳・会社員)
「胸元を強調した色っぽい衣装に興奮した」(54歳・飲食店経営)
「やっぱりいい女だったなぁ」(59歳・会社員)
と、高く支持されている。
SPPEDや松浦亜弥、華原朋美を抑えて3位にランクインしたのは、いきものがかり。08年に「SAKURA」で初めて選ばれると、9年連続で出場。12年には「風が吹いている」で紅組のトリを務めた。
「『YELL』がよかった」(47歳・アルバイト)
「いい曲が多かった」(45歳・会社員)
「もう2度と紅白で観られないはずなので観てみたい」(46歳・無職)
朝ドラ「ゲゲゲの女房」の主題歌やロンドン五輪の放送テーマソングに起用されるなど、NHKとの結びつきが強かったいきものがかりだが、19年を最後に出場していない。そんな状況が票を集めた理由のようだ。
紅白で聞きたい歌を募ったアンケートを行ったり、NHKホール外からの中継を復活させたりと、新たな紅白を目指してさまざまな取り組みが取られた00年代の紅白。【00年代紅組編】ランキングは、それを示すかのように新旧入り交じった顔ぶれとなった。
1位 安室奈美恵 238票
2位 中森明菜 208票
3位 いきものがかり 192票
4位 松任谷由実with Friends Of Love The Earth 183票
5位 一青窈 174票
6位 SPEED 160票
7位 中島美嘉 148票
8位 平原綾香 125票
9位 松浦亜弥 98票
10位 華原朋美 74票
※40歳以上の男性を対象にアンケートを実施。複数回答あり。