冬は「腰痛」を発症しやすい季節。
日本整形外科学会の発表によると、日本全国でおよそ3000万人の人が腰痛に悩まされているという。
原因は様々だが、その一つが「冬の寒さによる血行不良」だ。体は冷えると、筋肉や血管を収縮させることで血流を抑え、外気に熱を奪われないようにする。すると、血流は内臓に集中し、筋肉に回らなくなるため、筋肉に疲労物質がたまりやすくなってしまうのだ。このような状態で急に腰を動かそうとすることで腰の痛みが出るという。
「冬の寒さによる血行不良」の見分け方は、お風呂やカイロなどで腰を温めると痛みが一時的に和らぐ、ストレッチや軽い運動をすることで腰痛が楽になる、特に冷え込んだ朝に痛みが出やすいが活動し始めると痛みが減る、朝起きてすぐにワキの下とお腹を触って比べてみると、お腹の方が脇の下より冷たい、などの症状が出たらその可能性が高い。
しかし、原因がわかった場合も、6週間以上痛みが続く場合や、耐えがたい痛みがある場合には、整形外科を受診する必要がある。
「血行不良」が原因なら予防法はいくつかある。まずは、「姿勢の改善」だ。姿勢が悪く、首が前に出ていたり、猫背になっていると、慢性的に腰へ負担がかかった状態になってしまう。また、同じ姿勢を続けていると、血流が滞りやすくなる。大きい鏡などでこまめに確認する癖をつけよう。
次は、「体を温める食べ物をとること」だ。食事と体の冷えは密接な関係にある。かぼちゃや大根、ごぼう、ネギ、生姜、にんじんなど、体を内側から温めてくれる食材を摂取することを心がけよう。
「腰痛」予防のためには日々の対策もポイントだ。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。