「和歌山記念」◎古性優作/○新山響平/▲和田健太郎/△東口善朋
同県に機動型が多いと、追い込み選手は余力を残して勝ち上がることになる。
西日本で行われる今年の記念初戦「和歌山記念」(1月11日㊍~14日㊐)は、1班6人の地元勢をはじめ、近畿が断然の陣容を誇る。SS班2者の北日本でも、苦戦を強いられることになりそうだ。
ライン戦でも単騎でもスキを見せない自在戦で戦い抜く古性優作にとって、ここから新たなヴィクトリーロードがスタートする。近畿は寺崎浩平-古性-東口善朋。寺崎がバックまで引っ張れば、番手から古性が抜け出しを決める。
対抗は新山響平。和歌山バンクは直線が短く、ジャン前からの発進に迷いはない。後方からの攻めは盟友の佐藤慎太郎がガードする。マイペースに持ち込んで逃げ切りを狙う。
上位陣屈指のマーク巧者である東口の台頭も警戒。地元きってのスター選手だけに、余力を残して最終日を迎えられそう。スピード自慢の石塚輪太郎、南潤、中西大と乗れば「東口さんのためなら」と全力で先行するからだ。今夏で45歳になるが鋭いタテ脚は健在。決勝戦で古性が早めに仕掛けるようなら、18年以来、6年ぶりに初夢が正夢になるのではないか。
あとは、混戦と読めば和田健太郎も押さえておきたい。
昨年後半、低空飛行が続いたダービー王の山口拳矢は、中部が手薄で単騎戦もある。ただし、そのほうが自分のタイミングで動けるだけに、浮上のきっかけをつかめるかもしれない。
【大穴この1車】
近藤保(千葉・95期)。
7車戦か9車戦かを問わず、直線では巧みなコース取りで抜け出してくる高配当メーカー。昨年の11月だけでF1玉野(①③❶)の初日が1万円超、GⅢ大垣(③③⑤⑤)の予選で9万円超と2万円超、そしてF1別府(③③①)の初日に12万円超と万車券を4本演出。2着は少なく、ターゲットは1、3着流しだ。
【狙い目の伏兵3人】
ホームバンクの貴志修己(和歌山・117期)は、昨年8月のGⅢ戦(①⑦①⑦)で2勝をあげている。目標は予選突破だ。 昨年10月、京王閣記念(②②①❸)での大健闘が今でも強く印象に残っているのが中釜章成(大阪・113期)。小柄だがレースは粘り強い。再びファイナリスト入りもある。
A級で4場所連続優勝を飾っている真鍋智寛(愛媛・121期)は、S級初戦が記念になる。逃がしてもらえれば押し切りがある。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。