「小倉競輪祭」◎古性優作/○犬伏湧也/▲脇本雄太/△脇本雄太
快速を誇る先行選手は、強敵が相手でもマイペースに持ち込めば逃げ切れる。
今年のGⅠ最終戦となる「小倉競輪祭」(11月21日㊋〜26日㊐)は、ナイターで開催される。年末の立川グランプリ(12月28日〜30日)に出場する新たなベスト9が決まるシリーズで、現SS班9人がそろう最後の一戦。ダービー、オールスターに続く、新たなGⅠウイナーが誕生するのか、大注目の6日間になる。
展開不問の自在戦で、古性優作が初の競輪王の座に就くとみた。それは1年でGⅠを4度制覇する競輪史に残る新記録になる。古性の前で戦うのは近畿の盟友である脇本雄太。2人のワンツーも十分ある。
対抗の犬伏湧也は気負わず先行できるかどうかだ。すでに大舞台の決勝戦は親王牌8着、オールスター6着、ダービー9着と3度経験した。ラインは犬伏-清水裕友-松浦悠士の中四国強力3者。押さえ先行から冷静に踏み込めば逆転、初戴冠の夢が成就する。
あとは、賞金ランキング(11月16日現在)で8位の脇本と、9位の新山響平の奮起に期待したい。
無風のドームバンクで躍動するのが、徹底先行の北井佑季だ。準決勝で同県の郡司浩平と同走するようなら、ファイナリストに入ってもおかしくない。
【大穴この1車】松井宏佑(神奈川・113期)
驚くべきはGⅠ戦で万車券を3連発、それも2場所で演出していることだ。親王牌(⑦③②①)は2戦目から1万円超、2万円超、1万円超。決勝戦に乗った岸和田宮記念杯(⑤①③①❽)では2戦目から4万円超、3万円超、3万超と高配当を並べた。上位陣にも通用する先行型。後位が離れれば大穴の主役になる。
【狙い目の伏兵3人】
自転車競技で来年のパリ五輪を目指す中野慎詞(岩手・121期)は、今年3場所走っただけだが、オールスターでは準決勝に進出した。マイペースから逃げ切りがある。
中野と同期で同い年、やはりナショナルチームの太田海也(岡山)は、準決勝惜敗のオールスター(②①①④①)が光る。持ち味のスピード戦を貫けば、予選は突破できる。
九州の若武者の1人が松本秀之介(熊本・117期)だ。親王牌(②⑨②⑤)では2着2本。初戦を快勝して勢いに乗りたい。
前半3日間で行われる「女子王座決戦」は、ガールズGⅠ覇者の◎佐藤水菜と◯児玉碧衣のマッチレースが濃厚。この2人に続くのが▲久米詩と△太田りゆとみた。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。